私がこの病気と診断された頃は、補充療法についての情報がまだ少なく、検索で見つかる記事やSNS、ブログの体験談を頼りに病気のことを学んでいました。
当時、患者のあいだで広がっていたのが「追いコートリル」という方法です。日常のちょっとした負荷でもコートリルを数錠単位で増やしたり、一度に3倍量を飲んだりすることがすすめられていて、中には、飲み薬なら1日100mgまで飲んでいいという話まで出回っていました。不定愁訴とコルチゾール不足の症状、そして副腎クリーゼの区別もあいまいで、似た症状が出るたびに何錠も足すことが、当たり前のようになっていました。
その結果、過剰補充から抜け出せなくなって、クッシング様の症状や合併症に悩む方も少なくありませんでした。処方量では足りなくなり、主治医に内緒で海外からステロイドを個人輸入して増やしていた人もいました。それでも、その「日常的な増量」は、まるでそれが正しい対処法のように、ほかの患者さんにも広くすすめられていました。
情報が少ない中で、みんな少しでも楽になりたくて必死だったんだと思います。でも、私はその方法ずっと違和感があって、それがガイドラインや国内外の論文を調べはじめたきっかけになりました。
調べていく中で、足りなすぎず多すぎず、ちょうどいい量を補う「至適補充量」という考え方や、できるだけ自発を残しながら副作用を抑えて、元気に過ごすための工夫を知りました。そこで学んだことは、自分の体調管理にも役立てています。