オンライン医療講演会

7月5日(日)14時半から行われた、下垂体患者の会の「オンライン医療講演会(ハイブリッド)」を視聴しました。その中でも副腎皮質機能低下症の補充療法、とくにコートリルの飲み方やシックデイ対応について、印象に残った内容をまとめました。

コルチゾール不足

講演では、コルチゾールが不足すると、しんどい、食欲がない、やせる、ねむいといった症状が出ることがあると紹介されていました。ただ、このような症状だけでコルチゾール不足かどうかを判断するのは難しいので、症状や経過を注意して見て、メモをとり、主治医と一緒に判断していくことが大事だというお話でした。

副腎不全ショック

コルチゾール不足が重くなると、低血圧、低血糖、意識障害などを起こし、副腎不全ショックにつながることがあると説明されていました。ただ、症状を見分けることも大事で、たとえば糖分をとって改善するなら低血糖として対応する、という考え方も示されていました。そうやって原因を見つけていき、それでも足りない場合にはコートリルを飲むしかない、という流れでした。

シックデイ対応

シックデイ対応では、「いつもと違う」という点が強調されていました。いつもと違ってしんどい。いつもと違って食欲がない。いつもと違って熱がある。そういう時には、まずコートリルを1錠追加するという内容でした。また、判断に迷った時は、生命を守るために飲むことも大事だというお話でした。

スライドでは、最大で「1回2錠、1日3回まで可能」とされていました。3日以上続く時や、吐いてしまう時は相談するように、という案内もありました。

その他

他科を受診する際には、コートリルを服用していることを医師に伝えることも大切だそうです。

質疑応答
日常的な嘔吐や下痢

質疑応答では、日常的に嘔吐や下痢がある人の場合、どこからをシックデイと考えるのかという質問がありました。先生は、これはとても難しいとしたうえで、シックデイは「普段と違う状態」と考えると話されていました。

日常的に嘔吐や下痢がある人は、その症状については別で相談して対応する。そのうえで、シックデイは、普段の状態にプラスして別の症状が出た状態として考える、というお話でした。

投与量について

投与量についても、質疑応答で触れられていました。病院の点滴では最大100mgを使うこともありますが、最近はそれでも多いと言われることがあり、50mgが最大とされることもあるそうです。ただし、これは点滴での話で、自宅で経口で50mg飲むという意味ではないことも強調されていました。

血圧が下がって本当に生命が危ない時などに、医療機関で50mgを超えて100mgまで使うことがある、という位置づけでした。

経口の場合

経口の場合は、スライドの通り2〜3倍までが目安とされていました。それでもだめな時は、増量するしかないけれど、あくまでも一時的な追加にとどめ、その都度、主治医と相談しながら行うことが大事だと強調されていました。増量が長期的になった場合には、免疫への影響や、感染症が悪化しやすくなるリスクがあるというお話もありました。

シックデイ対応をした場合は、それで改善したのかを必ず先生に共有して、最適な対応を一緒に確認していくことが何度も強調されていました。

「副腎不全ショック」という表現

今回の講演では、重いコルチゾール不足によって起こる危険な状態について、「副腎不全ショック」という表現が使われていたのも印象的でした。

「副腎クリーゼ」という言葉は、日本内科学会雑誌105巻4号で「急激な糖質コルチコイドの絶対的または相対的な欠乏により、循環障害を来たす致死的病態」と説明されています。

低血圧、低血糖、意識障害などは危険なサインであっても、それだけで副腎クリーゼと断定できるわけではなく、診断には経過や循環状態を含めた臨床的な判断が必要です。その点、「副腎不全ショック」という表現は、日常的なコルチゾール不足のつらさとは別の、低血圧、低血糖、意識障害などを伴う危険な状態として受け取りやすい言葉だと感じました。

日常の不調、シックデイ対応が必要な状態、そして生命に関わる緊急状態を、言葉の上でも分けて考えることは大事だと思いました。

まとめ

今回のお話を聞いて、シックデイ対応は「しんどい時に自由に追加する」というものではなく、普段との違いを見ながら、必要な時に命を守るために使うものだと感じました。

コートリルは、必要な時には迷わず使う薬です。低コルチゾールを放置する方が危険な場面もあります。ただ、追加や増量が頻繁になったり、長期的に続いたりする場合は、そのままにせず、なぜ必要になるのかを主治医と一緒に見直すことも大切です。

必要な時には迷わず使う。でも、漫然と増やし続けない。そのバランスを確認できたことが、今回の講演でいちばん大きな学びでした。

2026.7.5 掲載

読んでくださった方が、自分なりの工夫を見つけるヒントになればうれしいです。
医療に関する判断を行う際は、必ず医師にご相談ください。