診断された方へ
私がこの病気と診断された頃は、体調コントロールに役立つ情報が少なく、病名で検索して出てきた情報を読んだり、SNSやブログの体験談を参考にしながら、この病気のメカニズムについて勉強を続けていました。ヒントを求めて欧米の副腎皮質機能低下症のコミュニティ(実名制)にも参加し、情報収集を始めたところ、欧米の方々は論文・文献・臨床などから得た科学的根拠のある方法を取り入れ、比較的元気に過ごしている方が多いことがわかりました。また、適度な運動を習慣にしている人も多く、運動時にコートリルを追加せずに体調を維持できる方法があることを知りました。
理論に基づいてライフスタイルや対処法を見直すことで、副腎不全を患っている健康な人(他に複数の疾患を持っていない場合)は、この病気の定義にもあるように、「適切な治療が行われれば予後は比較的良好」というレベルまで体調を改善できる可能性が高いようです。
そこで、私が参考にした文献の中から、診断された頃に知っておきたかった5つの情報をまとめています。
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闘病のフェーズ 副腎皮質機能低下症の闘病は、「診断までの道のり」「体調を安定させる」「減薬(適量模索)」「減薬(断薬)後の課題」といったフェーズがあり、日本の患者の多くは、2番目の「体調を安定させる」段階で試行錯誤されている印象です。詳しくは闘病のフェーズにまとめています。
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補充量の調整 単純に体重や体表面積から算出した15mgや20mgなどの補充量ではなく、体質やライフスタイルに合わせたピッタリな量を見つける補充量のタイトレーション(適量模索)がベストだと言われていて、欧米のコミュニティには減薬に特化したグループも存在します。詳細は、情報(調整・減薬の関連記事)と日記(減薬の関連記事)にまとめています。
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不要な薬の精査 コートリルと相性の悪い薬・成分・食べ物や、CYPの影響を理解することが、適量模索や体調管理のヒントになります。HPA軸に悪影響な薬や成分も考慮して、できる限り薬に頼らず、治せる不調は治すことが一番の近道です。詳細は、情報(薬の影響の関連記事)と日記(減薬の関連記事)にまとめています。
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血糖値の影響 低血糖や血糖値スパイクはコルチゾールの無駄遣いを引き起こすため、その予防が体調の改善に最も効果的です。低血糖や血糖値スパイクを繰り返すと、アドレナリンが分泌されにくくなり、グリコーゲンの血糖値上昇効果が低下して、ますますコントロールしにくくなります。命に関わる低血糖の対処法として「ブドウ糖の摂取」や「甘い食べ物や飲み物の摂取」がありますが、これを日常的に習慣化するとコントロールが悪化していきます。詳細は、情報(血糖値の維持の関連記事)と日記(低血糖の関連記事)にまとめています。
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シックデイの対応 シックデイでは、通常は1日の2倍量が目安となりますが、CBGの影響を考慮して、「1日の2倍量を一度に服用する」のではなく、「24時間かけて2倍にする」ことが推奨されています。主治医の指示に従い、MAX量の範囲内で対応し、もし大幅に超えた量を服用しなければならない場合は、かかりつけの病院に連絡するか、最寄りの救急外来を受診するよう指導されているはずです。詳細は、情報(シックデイの関連記事)と日記(シックデイの関連記事)に記録しています。
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