Hint補充と体重の悪循環
欧米の副腎皮質機能低下症の患者さんの多くが、適度な運動やヘルシーな食生活を習慣化しているのは、単に「コントロールを良くするため」「補充量を最適化するため」だけでなく、「肥満の予防・管理」も大きな理由のひとつです。
特に警戒されているのは、「太ると必要量が増える → 増やすとまた太る」という、補充と体重の悪循環です。
実際、コートリル(ヒドロコルチゾン)は、体表面積や代謝量を考慮して多めに設定されることもありますが、日本のガイドラインでも、1日20mgを超えると副作用リスクが上がるとも言われており、できるだけ「最小限で安定する体」を保つことが望ましいとされています。
どうしてもステロイドは脂肪がつきやすく、体重が増えると炎症やインスリン抵抗性が悪化し、糖尿病のリスクが高まったり、ますますコートリルの補充が必要になることもあります。
なので、「少しでも筋肉を保って、脂肪を減らすことが自己防衛」という意識が強く、運動はそのための戦略として捉えられています。
無理な運動ではなく、低血糖や消耗を避けつつ、生活に取り入れられる運動を少しずつ。そうすることで、長期的に補充量を増やさずに済む体に近づけていく…そんな患者さんの先回りの取り組みや工夫に、学ぶ点はたくさんあると思っています。
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※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解です。