Misc守りたいのは何ですか?
同じ病気でも、欧米ではその後の選択によって、少しずつ違う道を歩んでいる人がいるように思います。
副作用をできる限り予防しながら、暮らしを整えて卒業していく人たちがいる一方で、「今の快適さ」や「欲」を優先してしまい、結果的に糖尿病などの合併症を抱え、さらにそのコントロールに悩む人生を選んでしまっている人たちもいます。
私は、どちらかといえば「予防派」のほうのコミュニティに身を置いているので、同じように試行錯誤しながら、より良くしていこうと努力している人たちの情報や、回復して薬から卒業していく方々の体験談に触れる機会が多くあります。
病気って、「なりたくてなったわけじゃない」ケースが大半で、突然告知されたり、長い誤診の末にようやく辿り着いた人も少なくありません。それでも、補充療法をする中で、「ただ飲めばいい」ではなく、どう飲むか・どう暮らすかを見直すことで、合併症のリスクを下げられる余地は、確実にあると感じています。
全部が全部できなくても、たとえば歩ける人は歩く、動けない日が続く人は、甘いものを少し控える。そんな一つひとつの積み重ねでも、ステロイドの副作用としてよく言われる糖尿病のリスクを、少しでも下げていくことはできると思っています。
結局、病気がある場合は、何かを少し犠牲にしてでも、大事なものを守っていくしかない部分があるのかもしれません。
その時「手放さなければいけないもの」が、もし一時的な楽しみや欲求だったとしたら、それを優先しすぎたことで、あとから健康や自由を失ってしまうこともあるのかもしれません。