原因と回復
私はなぜ副腎皮質機能低下症になったのか、明確な原因はわからないまま闘病し、少しずつ回復してきました。
記憶を辿ると、アメリカから帰国した13歳頃から午前中だけ体調が悪くなる日が増え、習っていたバレエが突然踊れなくなり、学校へ歩いて行くのも困難になり、タクシーや車で送迎してもらうこともありました。
それでも、調子が良い時期はペース配分をしながら、人並みの8割くらいのポテンシャルで過ごせていたと思います。20代の頃は「たくさん眠る」ことでバランスをとっていた記憶です。
その後、再び午前中に調子が悪くなる時期になり、夜に眠れなくなりました。その対処として、医師の父から睡眠導入剤を半錠ずつ手渡しで処方され、2〜3ヶ月ほど服用していました。ところが、その頃から体調不良が増え、後になって薬の成分を調べると、それがベンゾジアゼピン系だったことがわかりました。
同じ時期に混合性頭痛が悪化し、その対処として飲んでいた薬も、調べるとベンゾジアゼピン系でした。今思えば、これも私の体調悪化の要因のひとつだったのかもしれません。
それでも、運動を始めたことで体調が安定する時期もありました。ジムに通いながら、週3回のキックボクシングを8年間続けるほど元気になり、大好きなワインも楽しんでいました。
しかし、2017年に熱の出ない呼吸器感染症にかかり、咳が止まらなくなりました。喘息と診断され、呼吸器の状態が悪化し、点鼻薬・吸入ステロイド・マクロライドなどを使用して治療してました。後になって調べたところ、ステロイドの効果を増強させるCYP3A4阻害薬もあったことがわかりました。
その頃から、頻脈・コントロール不能な消化器症状や呼吸困難に悩まされました。
世の中がコロナ禍になった頃に、コロナかどうかは不明ですが、何らかの感染症にかかったことをきっかけに、体調がさらに悪化しました。熱が無いのでPCR検査ができず、確認はできていません。
試行錯誤を続ける中で、グルテンフリーを試してみたところ、少しずつ体調が改善しました。この頃からの経緯は、プロフィールにも記録しています。
それなりに安定していたものの、インフルエンザの予防のために摂取したワクチンと、2021年7月13日にコロナのワクチンを接種したことで、体調が手に負えないレベルまで悪化しました。
つまり、私はコロナ後遺症やワクチン後遺症の可能性もあったのかもしれません。
というよりも、もともとHPA軸が弱かったところに、ベンゾジアゼピン系の薬・吸入ステロイドと併用薬に加え、感染症やワクチンが長期的な悪化要因として重なったのではないかと思っています。
ただ、私は医療機関でコロナやワクチンの話をしていません。海外ならともかく、日本の医療機関ではコロナやワクチンの話をすると、まともな医療が受けられなくなる可能性があるからです。
原因が何であれ「体調を良くすること」が最優先だったため、副腎皮質機能低下症として、「きちんとした内分泌科」で治療を受けました。主治医に任せきりにせず、欧米の最新情報を自分でも学び、治療の参考にしたことで、少しずつ回復することができました。
並行して少しずつ体調を整えながら、原因となっている可能性のある薬剤をひとつひとつ見直し、最終的に全て断薬することができました。
ワクチンを打ったこと自体に後悔はありませんし、ワクチン後遺症だと思ってもいません。もし打っていなかったら、副腎皮質機能低下症に辿り着けず、HPA軸が弱い体質だった事に気づかないまま過ごしていた可能性が高いからです。
私は13歳から何度も体調の波を経験してきましたが、副腎皮質機能低下症の診断をきっかけに、自分の行動や選択に矢印を向けて、ライフスタイルを見直したことで、心身ともに健康な状態を手に入れることができました。
これからの人生は、薬だけに頼らず、日々の生活習慣や環境を整えながら、自分の体と向き合い、無理なく健康を維持していきたいと思います。