第22話「症状のラスボス」

数年前に謎の呼吸困難が始まって以来、季節の変わり目や寒い時期は発作を繰り返し、コントロールができず救急病院にお世話になることもあった為、喘息の治療を続けていました。症状を緩和する為に(経口ステロイド以外で)出来ることをやり尽くし、それでも状況は悪化していたのですが、コートリル服用を初めたことで発作が激減し、さらに生活改善で自律神経が整ったことも良かったのか、副腎皮質機能低下症と診断されて初めての冬は、ほとんど発作にならずに過ごせました。

典型的な喘息発作のような喘鳴がなく、肺が詰まったような感じの呼吸困難で、胸の辺りがチクチク痛くなることもあり、心拍数が上がらない時はSpO2値が下がります。リリーバーが効かない時もあり、抗ヒスタミン薬で改善する場合もあるのですが、リリーバーも抗ヒスタミン薬も効かない時もありました。

副腎皮質機能低下症と診断された初期の頃に発作があり、試しにコートリル5〜10mgをプラスしたところ、その症状が消えたので、今考えるとコルチゾール不足が根本にある症状だったのかなと思います。

呼吸機能検査も良好で、肺活量も多く肺年齢は18歳レベルらしく、複数箇所で診ていただいた呼吸器科医のほとんどが「喘息ではない」「異常なし」という見解した。脈拍数も160bpmくらいまで上がることから、ホルター心電図を含め、ひと通り検査したのですが、健康そのものと言われ、呼吸困難の原因では無い様でした。

アレルギー検査

アレルギー検査ではIgEが低く、検査に反応してない様に見えるのですが、低IgEだとアレルギーを否定できる訳でもない様で、症状からアレルギーと診断されて、喘息の治療で呼吸困難が解消できなかった時の為にエピペンも処方されたのですが、その翌月に副腎皮質機能低下症だったことがわかり、コルチゾール不足を解消して体調が良くなり、使うことなく過ごせています。

内分泌の専門医のS先生や、最初にコルチゾール不足を見つけてくれた開業医のM先生の話では、慢性的なコルチゾール不足が喘息発作の原因になることもあるらしく、私の場合はコルチゾールを適量補充していることで、呼吸器の発作が激減したのではないかという見立てですが、今でも特定の物質を摂取すると軽い呼吸困難が起こることから、自分の体質にあった治療を継続したまま、発作のトリガーになるものを極力避けて生活しています。

そんな訳で、この8ヶ月間ほとんど呼吸困難になることなく過ごしているのですが、強い負荷があった後だけ症状が出ることがある為、私の場合は、この呼吸困難がコルチゾール不足の症状の「ラスボス」で、最近は滅多に現れなくなったのかなと思っています。

2022年11月の婦人科系疾患の手術の後は、発作が出てリリーバーが効かず、悪戦苦闘して回復させました。2023年3月の感染性胃腸炎の後も、軽めの呼吸困難が1日だけ出たので、数日間コートリルの量を増やして回復させました。

専門医のS先生のアドバイスから、事前のステロイドカバーで炎症を防ぐ方が、炎症を出してから火消しする時よりも少ない量のコートリルで過ごせることは理解しているのですが、なかなか上手くできていないので、今後の目標にしようと思います。

副腎皮質機能低下症という珍しい病気の中でも、さらに珍しい症状なので、なかなか無いとは思いますが、体質が似た方がいらっしゃいましたら、情報交換させていただけると嬉しいです。


闘病日記 by ここ プロフィール