Miscコロナ後遺症とコルチゾール
日本内分泌学会雑誌(2024年100巻)S.Update号に2023年11月3〜4日に開催された「第33回臨床内分泌代謝Update」の資料が掲載されていました。その中からコルチゾール補充療法に関する部分をまとめてみました。
資料の54ページに掲載された「COVID-19後遺症に伴う頭痛がQOLと内分泌機能へ与える影響」には、近年、米国からの検討では長期の後遺症患者に低コルチゾール血症が指摘されている事や、コロナ後遺症における視床下部・下垂体の機能障害の潜在について記載されていました。
そのソース元の「Klein J, Wood J, Jaycox JR, et al. Distinguishing fea- tures of long COVID identified through immune pro- filing. Nature. 2023; 623: 139-148.」には、以下の内容が書かれていました。
- 後遺症患者はコルチゾールレベルが大幅に低下している可能性がある
- コルチゾールの減少はACTHの増加に反応していない
- 視床下部・下垂体の反応が不適切に鈍化している
- ACTHの半減期は非常に短く正確に機能していない
また、SARS-CoVから回復した61人も、感染から3ヶ月後にACTH反応が鈍化して、コルチゾール低下が示されたという研究もあるそうです。
COVID-19の初期段階での低コルチゾールは、後遺症の発症と関連していて、感染から1年以上経った患者のコルチゾールは、持続的に低下する可能性があると考えているそうです。
コロナ感染からのHPA軸の機能障害の方々の参考までに。
国内外の情報や論文・コントロール良好な方の体験談などから見つけた情報を集めています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する事は「Note」へ、体験談やヒントなどは「Misc」に記録しています。
※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解です。