Note糖尿病の予防

副腎皮質機能低下症の患者が糖尿病を併発すると、血糖値管理とコルチゾール投与のバランスが難しくなり、治療が複雑化する可能性があるそうです。胃腸からのコルチゾール吸収が悪くなることで、コートリルの効きが悪くなり、副腎クリーゼのリスクが高まる事もあり、免疫機能の低下により、感染症のリスクもさらに増加します。

副腎皮質機能低下症の患者が糖尿病を併発した場合、糖尿病だけの場合と比較して、死亡率が約4倍に増加するという研究結果もある為、なるべく健康的な予後を過ごす為には、糖尿病の予防がとても重要と言われています。

In a 2017 study, 68 patients with primary adrenal insufficiency and diabetes had an almost four times increased mortality rate compared with patients with diabetes alone.

Eystein S Husebye – Adrenal insufficiency

糖尿病の予防は、コートリルを適量(プラマイゼロの量)に調整し、甘いものを控え、バランスの取れた食事と適度な運動を日常に取り入れることが大切です。また、HbA1cの検査では見逃されがちな血糖値スパイク(食後の急激な血糖値上昇)を防ぐことも重要※1と言われています。

  1. [参考]血糖値スパイクを予防しよう ──糖尿病になる前に対策を! – 済生会
正しい糖質制限

糖質制限は効果的な方法の一つですが、誤ったやり方では逆効果になることもあります。例えば、夕食時にお米を控える一方で、スイーツや甘いコーヒーを習慣化するのは間違った対策です。

お米(特に玄米や雑穀米)は、タンパク質・食物繊維・ビタミン・ミネラルが豊富で、スイーツに比べて低脂肪で栄養バランスの良い糖質です。お米は、筋肉の維持や体・脳のエネルギー源として重要であり、運動や筋トレをする方々にとっても欠かせない栄養源です。

糖尿病と筋肉量

糖尿病のリスクを高めるのは体重そのものではなく、体内の組成です。筋肉量が少なく、体脂肪量が多い場合、体重に関わらず糖尿病のリスクが高まるとされています。

筋肉量が減少すると、グルコースの貯蔵能力が低下し、血糖値の急激な上昇や下降(血糖値スパイク)が起こりやすくなります。また、インスリン感受性が低下することで血糖値が上がりやすくなり、糖尿病のリスクも高まります。

一方、筋肉量を増やすことで、グルコースの貯蔵能力やインスリン感受性を向上させ、血糖値を安定させることができるので、糖尿病のリスク軽減も期待できます。副腎皮質機能低下症の場合は、血糖値のブレがコルチゾール値にも影響しますので、血糖値を安定させることで、体調も安定しやすくなるメリットがあります。

ステロイド治療を行う場合、副作用で筋肉量が減少しやすくなるため、適切な栄養摂取と適度な運動で筋肉量を維持することが、寿命や健康寿命に大きな影響を与えます。

筋肉量を増やす習慣は、糖尿病と診断された方にも有効※2です。筋肉量の増加は、血糖値管理に役立ち、糖尿病の進行や症状の悪化を防ぐために重要な役割を果たすそうです。

  1. [参考]糖尿病と筋肉の関係 – 東京高輪病院
適度な運動

適度な運動(特に有酸素運動や筋力トレーニング)は、血糖を消費し、血糖値を安定させるのに非常に効果的です。ただし、運動は体内のコルチゾール値にも影響を与えるため、副腎皮質機能低下症の場合は低血糖になるリスクがあります。そのため、運動を行うタイミングや方法については、特に注意が必要です。

欧米の研究では、血糖値が安定しているタイミングで運動を行うことが推奨されます。


国内外の情報や論文・コントロール良好な方の体験談などから見つけた情報を集めています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する事は「Note」へ、体験談やヒントなどは「Misc」に記録しています。

※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解である事をご了承ください。