第52話「炎症と副腎機能」

コートリルを頓服に切り替えて3ヶ月が経過しました。

最近のランダムコルチゾール値(朝9時〜12時・最後の服用から18時間後)は10.9μg/dL・8.1μg/dL辺りだったことと、体感や主治医のコメントからも、もともとコルチゾールが低めの体質だった可能性もある様ですが、あと少し回復できれば、今よりも活動量が増やせるかもしれません。

軽度の副腎皮質機能低下症のイメージ 軽症者の日内変動のイメージ

コルチゾールの基礎値が1.6μg/dL程だった頃に比べると、日常は副腎クリーゼに遭遇する確率は少ないかもしれませんが、何かあった時にACTHが安定して供給るという確信が無いので、緊急用のコートリルは常に持ち歩くようにしています。

欧米のコミュニティで見つけたデータを元に、副腎皮質機能低下症のことを伝える時に「具体的にどうなってしまうの?」を説明するシーンに使える資料として、副腎不全のフロー図(←ご自由にお使いください)と、私バージョンのもの(↓)も作ってみました。

副腎クリーゼの概要 副腎クリーゼの概要(私の場合)

運動・疲労・病気・怪我などのトリガーに加え、持病と炎症からのコルチゾール不足や、炎症からのアレルギーの悪化と呼吸困難までの流れも加え、出先などで内分泌の専門医が不在な場合でも、状況を理解していただけるようにしてみました。私の場合、悪化してしまうと喘息の治療(気管支拡張剤)も効かないので、短回のプレドニン20mg相当の治療で回復させるしかない状況になってしまいます。

なんとか維持している副腎機能を、今よりも低下させるのは不本意なので、短回でもプレドニンは飲みたく無いので、この「炎症→アレルギー悪化→呼吸困難」の予防に全力で取り組んでいます。

高脂肪・砂糖・塩分(小麦粉系の食べ物・チョコレート・甘いデザート・キャンディー・塩味のスナック・ポテトチップス・フルーツジュース・砂糖入りのドリンク・アルコール飲料など)の摂取が喘息に影響してるという研究もあることから、やはり食べ物は重要な様です。

[参考]Dietary patterns and asthma prevalence, incidence and control

また、肥満が非アレルギー性喘息の主要な要因であるという研究からも、なるべくヘルシーなものを食べて、適正な体重を維持することが、呼吸器の状態を良好に保ち、余計なコルチゾール消費を予防する近道な様です。

[参考]Diet and airway inflammation

私のケースでも、喘息の改善は糖質の摂り方も大きく影響していた様で、食生活の改善後は滅多に症状が出なくなり、シムビコート換算で4吸入/day(ブデソニド640μg)だった定期薬を、徐々に減薬して1吸入/day(ブデソニド160μg)まで落とすことができました

吸入薬なので定かではないのですが、どこかの論文の換算式を流用すると、BUD320μg=BUD0.32mg=PSL1mg=コートリル4mgで、シムビコート1吸入(ブデソニド160μg)でコートリル2mgくらいのステロイドを吸い込んでいるのかもしれません

吸入薬がACTHの抑制に関与していたのか不明ですが、欧米には少量の吸入で抑制していたというケースが多数あるので、副腎機能をあと少し改善させることを目標に、なるべくステロイドを使わずに過ごそうと思っています。

漢方外来のM先生から、ドクター専用の「ツムラ医療用漢方製剤一覧」と手帳をいただきました。先生お勧めの漢方薬の本も、選んでいただいた漢方薬のことだけでなく、難聴で一時的に服用している漢方薬のことも理解できるので、とても助かっています。患者側も、どんな薬を服用しているのか理解している事が大事ですね。いつもありがとうございます!


闘病日記 by ここ プロフィール