Hint測定方法の違い

コルチゾールの検査方法によって数値が異なると知り、気になったので、「自由研究」として詳しく調べてみました。

免疫測定法
  • 免疫測定法(RIA・ECLIA・ELISAなど)は、抗体を使ってコルチゾールを検出する方法
  • 似た構造を持つステロイドホルモン(プレドニゾロン・コルチゾン)も、一部検出してしまう可能性がある
  • その結果、実際のコルチゾール濃度より高めに出ることがある
  • ステロイド治療中や他の薬剤の影響を受ける場合は、測定値の解釈に注意が必要
質量分析法
  • LC-MS/MSは、コルチゾール分子を直接分離して測定する方法
  • 他のステロイドと区別できるため、より正確な数値が得られる
  • 測定法によって数値に違いが出ることがあり、LC-MS/MSの方が低めに測定されるケースもある
じゃあどっちの値を信じるべき?
  • 診断目的:より正確な測定が求められるため、LC-MS/MSが推奨されることが多い(特に副腎不全やクッシング症候群の診断)
  • 継続的なモニタリング:同じ病院・同じ測定方法を継続的に使用し、相対的な変化を比較するのがベスト

→異なる測定法の数値を単純に比較すると誤解を招く可能性があるため、注意が必要

交差反応の影響を受ける可能性があるケース
  • ステロイド治療中(経口・吸入・点鼻・注射・点眼など、全身または局所投与を含む)
  • 薬剤の影響(CYP3A4阻害薬・誘導薬などによる代謝変化)
  • 異常なホルモン状態(コルチゾール前駆体や代謝産物の影響)

→ステロイドを併用している場合や他の薬剤の影響を受けやすい環境では、測定値の解釈に注意が必要

具体例
  • ベンゾジアゼピン系薬剤は中枢神経系に作用し、HPA軸を介してコルチゾール分泌に影響を与える可能性があるため、測定値の解釈には注意が必要
  • CYP3A4誘導薬は、コルチゾールの代謝を促進することで、血中コルチゾール値を低下させる可能性がある
  • CYP3A4阻害薬は、コルチゾールの代謝を抑制することで、血中コルチゾール値を上昇させる可能性がある
私の検査結果

ちなみに私はどちらの検査でも、あまり数値にブレがないみたいでした。喘息の吸入薬くらいしか影響要素がなかったからなのかもしれません。

H先生のクリニックの検査(4.5〜の検査)は、おそらくLC-MS/MSによるもので、専門医S先生の院内検査(6.2〜の検査)は、免疫測定法の可能性が高いと考えています。この件については、後日先生方に確認し、より正確な情報を得たいと思います。


国内外の情報・論文・コントロール良好な方の体験談などから見つけた情報を記録しています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する情報は「Note」へ、体験談やヒントなどは「Hint」へ、その他の内容は「Misc」に記録しています。

※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解です。