第75話「炎症と予防」

コートリルを頓服に切り替えて1年になりました。11月の安静採血では、コルチゾール9.7μg/dL・ACTH11.8pg/mLと良好な数値で、やはり回復している可能性が高いとのコメントをいただきました。

採血結果 ※コートリル抜き・安静・8時半の採血・睡眠⚪︎

採血の推移※安静採血の結果

ただ、DHEA-Sが19μg/dLと低値※1のため、今もコルチゾールが少なめの状態で過ごしているらしく、まだ完全回復はできていないのかもしれません。とはいえ、DHEA-Sが2μg/dLだった頃に比べると、徐々にACTHが出せるようになってきているようです。

  1. この検査時の女性の41〜49歳の基準値は41~218μg/dLの様です。

DHEA-Sの推移※DHEA-Sの推移

どの程度回復できているかを知るために、負荷試験を検討しているのですが、なかなか入院できる時間が作れず、早くても春くらいになりそうです。

この冬も喘息が出ないようコントロールし、なるべくステロイドを使わずに生活することで、いつか副腎機能が完全に回復して、コートリルの頓服が全く不要になることが目標です。とはいえ、必要な時には無理せず使ってね、という指示でした。

健康な人よりコルチゾールの反応が鈍く、炎症が起こりやすいため、悪化した場合には局所ステロイドの使用を検討することもありますが、小麦粉・多量の乳製品・甘いものを控えて、炎症の予防に努めていて、今のところとても効果を実感しています。

それでもステロイドの力を借りなければならない事があれば、副腎機能への影響を考慮して、副腎皮質機能低下症の悪化リスクを最小限に抑える方法で対処したいと思っています。

それ以外の食事法として、欧米の患者さんの多くが取り入れているカフェインを控える方法が、血糖値の安定だけでなく、貧血の予防や改善にも効果的であることを知りました。ポリフェノール(タンニン)が鉄の吸収を妨げる可能性があるため、例えばデカフェのコーヒーでも控えた方が良い場合があるようです。

また、ほとんどの栄養素は食品から摂取した方が吸収されやすいこと(例:カルシウムは牛乳、亜鉛は鶏肉)や、食品に含まれる栄養素が体内での吸収競合を避けるように自然に配合されていること、一部のサプリメントでは吸収効率が低い場合があることを考慮すると、欧米の多くの副腎皮質機能低下症の医師や患者がサプリメントを避け、食事からの栄養摂取を重視する理由が理解できました。

バランスの良い食事を心がけて、本来持っていた副腎機能を取り戻せるように、継続的に取り組んでいきたいと思います。


闘病日記 by ここ プロフィール