第47話「副作用と不調」
私の喘息の症状は一般的ではなく、典型的な喘息のような喘鳴がなく、肺が詰まったような息苦しさで、心拍数が上がらない時はSpO2値が下がります。呼吸困難から心拍数があがる時もあれば、心拍数だけがあがる頻脈になっている時もある、ちょっと厄介な症状を持ち合わせています。
喘息は呼吸器の症状で、頻脈は心臓の症状なのですが、どちらの発作でも息切れや息苦しさがあることから、まずはどちらの症状なのかを見分けて、適切な対処をしなければならなく、私の場合は喘息の目印であるはずの喘鳴がしないので、判断を間違ってしまうことも少なくありませんでした。
喘息の対処法はβ2刺激薬の吸入ですが、交感神経系の亢進により頻脈や動悸などの副作用があります。頻脈の対処法はβ遮断薬やワソラン(頻脈性の不整脈の薬)などですが、β遮断薬は喘息の誘発や血圧低下の副作用があることから、私の体質には合わず、ワソランのみで対処するようにしました。
頻脈が手に負えない時期があり、循環器科で処方されたビソノテープ(β1遮断剤)4mgが、服薬のβ遮断薬よりも喘息を誘発しにくいということで使ってみると、頻脈はすぐに収まったのですが、2週間くらいのタイムラグで喘息を誘発してしまい、喘息が出ず、頻脈も少し抑制できる2mgで騙し騙し過ごしていました。
この頃は、まだ乳製品や甘いものが喘息のトリガーになっていること※1に気がついてなく、度々喘息にも悩まされていて、喘息のβ2刺激薬の副作用で頻脈も悪化していたので、開業医のH先生のお勧めの吸入薬を色々と試した結果、頻脈になりにくい吸入薬と管理薬と出会うことができ、体調管理が少し楽になりました。
そんな頃、副腎皮質機能低下症と診断されて、コルチゾール不足を解消したことや、試しに乳製品を控えてみたことも功を奏して、喘息や頻脈になる頻度が激減して、ビソノテープも漸減して断薬するができました。ここで、試しに乳製品を摂ってみたところ、やはり喘息の発作が誘発されてしまう様でした。
食事制限はちょっと大変だったのですが、身体に合わないものを徹底的に控えることで、喘息も頻脈も滅多に来なくなり、持病が由来の炎症が減ったことで、副腎皮質機能低下症のコントロールも安定して、コートリルの量も減らすことができ、とても暮らしやすくなりました。
体調が良くなったこともあり、旅行にも行くようになったのですが、離島と温泉の旅やリゾートへの旅の時などの、初日の朝の移動の時に限って、息切れ・頻脈(130bpm)・吐き気・低酸素で、歩くことができなくなることがあり、原因と解決策を考えていました。
そんな中、副腎皮質機能低下症の情報発信・収集で利用しているSNSで、同じ病気のMさんとの会話からヒントをいただき、喘息の予防で使っている吸入薬(ICS+LABA+LAMA)のβ2刺激薬が、頻脈を誘発する可能性があることを思い出しました。
喘息の症状が落ち着いていたことから、試しに朝と夜の吸入だった管理薬を夜のみに減薬してみたところ、喘息にもならず、旅行や出かける用事のある忙しい朝でも、頻脈になることがなくなり、東京への旅の時は、発作を出さずに旅行することが出来ました。
コートリルも初日のみ保険として服用した少量(2.5mg+1.25mg)で、終日アクティブに過ごすことができました。コルチゾール不足を解消してから頻度は減っていたものの、長年の悩みだった症状が解決できたことで、時間で動くスケジュールに照準を合わせやすくなったので、今後は積極的に出かけることができそうです。
ライフスタイルを改善することで、発作のトリガーを減らし、対処療法の薬を減らすことで、その副作用による不調も解消でき、常用する薬が減ったことで、また一歩健康に近づくことができました。
というのも、T先生の話では、喘息の吸入薬のステロイドがHPA軸の抑制に関与している可能性もゼロではなく、少しでも減らすことができたことが、メリットになったのかもしれません。このまま良い状態で冬を越して、あと少し回復を後押しできるように、ベストを尽くそうと思っています。
不調には必ず原因があり、薬だけが解決策ではないことも多く、むしろ、薬を減らすことで体調が整うことや、何かを犠牲にしなければならない場面もありますが、本当に健康になりたいという強い気持ちがあるなら、その原因を一つずつ解き明かすことで、不調のループから抜け出せると信じています。
漢方外来のM先生のセオリーも取り入れて、しっかり養生したことで、どうしようもなかった体調が少しづつ整い、最近は少量の乳製品を摂っても喘息が出る事もなくなり、日々コートリル無しで出来ることも増えていて、また体調がワンランク良くなったように感じています。
- アレルギー検査ではIgEが低く、検査に反応してない様に見えるのですが、低IgEだとアレルギーを否定できる訳でもない様で、アレルギー科の先生の話では、体感だけを手がかりに、身体に合わないものを見つける必要があるそうです。
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