診断前の経緯
2017年頃から体調が悪くなり、何かをきっかけに、ひどい消化器症状・160bpm超の頻脈・90%以下の低酸素・呼吸困難・収縮期(高い方)が70mmHg台の低血圧・声が出なくなる(気道閉塞?)といった症状に悩まされていました。原因が特定できず5年ほど医療機関を彷徨い、その間に何度も救急搬送されましたが、副腎皮質機能低下症の診断には至りませんでした。
初期の頃は、調子が良いタイミングで運動ができていましたが、運動後や夕食の数時間後に体調が急変していました。運動誘発性アナフィラキシーや、検査で見つからないアレルギーの可能性を考慮し、救急外来で抗ヒスタミン薬やステロイドの点滴を何度か受けました。点滴後、しばらくすると何事もなかったかのように回復したため、ステロイドが効くということだけは分かっていました。
ただ、ステロイドは多くの症状に効くため、副腎皮質機能低下症の診断には至りませんでした。
日に日に症状は悪化し、指の関節痛や全身の筋肉痛・原因不明の発熱・動けないほどの倦怠感が現れるようになりました。いつの間にか眠ってしまったり(低血糖?)、寒さに耐えられなくなり、食欲も減って体重が落ち、常に低血圧が続くようになりました。手に負えないアレルギー症状や呼吸困難・頻脈により、動く気力もなくなり、次第に疲弊していきました。
そんな時、藁にもすがる思いで相談に行った呼吸器科の開業医のM先生が、喘息患者のコルチゾール値に興味を持っていたことから、たまたま私のコルチゾールとACTHを調べてくれたことで、副腎皮質機能低下症の診断に辿り着くことができました。その時のACTHは2.3pg/mL・コルチゾールは2.41μg/dLでした。
副腎皮質機能低下症の多くは、診断がつく前にクリーゼが発症しているものの、なかなか診断に至らないのが現状だそうです。特に、私のように数値的に軽症(自発がゼロではない)の患者ほど、一般血液検査でミネラルの異常が現れにくく、所見を見逃されやすいことが原因の一つかもしれません。
診断された後に、それまで巡った医療機関の先生方には、「私と似たケースの患者さんに出会ったら、ぜひコルチゾール値を測ってみてください」と伝えています。また、Xやブログでも情報発信をして、少しでも副腎皮質機能低下症の認知を広めたいと考えています。
私のように医療機関を渡り歩いても診断に辿り着けない方が、少しでも早く正しい診断に結びつくように、診断後もそれぞれが適切な医療を受けれるように、医療環境が整備されることを願っています。
- X(Twitter)と コミュニティも合わせてどうぞ