第27話「自己注射」
海外や離島などへの旅行時の緊急用に、念のためソルコーテフ自己注射を処方してもらいました。私の場合は半量の50mLで充分らしく、処方量の半量を注射するそうです。
コロナ直前に旅行した南の島で熱中症になり、英語すら通じず結構大変だったことがありました。今はコルチゾールを補充しているので、そんなリスクも低くなったのかもしれませんが、言葉も文化も違う場所で体調を崩し、コートリルが飲めなくなってしまった時に備えて、念のため処方してもらいました。
国内本島なら医療制度も充実していて、救急車やドクターヘリも来てくれますが、渡航時の長時間のフライトでは、簡単に医療を受けることができません。国内でも病院までのアクセスが悪い離島や秘境などに滞在することもあり、つい最近の旅行でも、急な悪天候で移動手段が絶たれたこともあったので、万が一の時の命綱になると実感ました。
針をセットする→アンプル割る→吸い上げる→バイアルに入れる→混ぜる→吸い上げる→針を変える→空気抜く→筋肉注射するという工程は、一般人には不慣れな作業で、コートリルを服用できない(意識がない)状態の場合は、一緒に居る人にお願いすることになるので、事前に情報共有をしています。
- アンプルカットの方法
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- アンプルの頭部に薬液が残ってないか確認(弾くか回して落とす)
- ポイントマークを手前に左手で胴体を持つ
- 右手の親指の腹をマークに合わせて置いて裏側は人差し指で支える
- アンプルの頭部をマークと反対方向に押して折る
- 溶解の方法
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- シリンジに調整用の針(黄色)をセットする
- 注射用水を全量吸う
- シリンジを上に向けて中の空気を抜く
- バイアルのキャップを外してゴム栓をアルコール綿で拭く
- バイアルのゴム栓の中央に刺し注射用水を押し出す
- バイアルをゆっくり回して粉が見えなくなるまで溶解させる
- シリンジのピストンを投与量(半量の1mL)まで引いて空気を吸う
- バイアルの中央にゆっくり刺してシリンジ内の空気を入れる
- シリンジが上を向くようにバイアルごと倒立させる
- 針先が注射液に触れる角度でピストンを引き1.3mLほど吸う
- 調整用の針を外し、注射針に付け替える
- 針先を上に向けてピストンを軽く押してシリンジと針先の空気を抜いて1mLに合わせる
- 自己注射の方法
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- 大腿中央部の外側の皮膚をアルコール綿で消毒する
- 親指と人差し指で皮膚を伸ばして注射針を半分刺す
- 薬液を全部入れたら注射針を抜いて廃棄容器に入れる
- 注射した部位に数秒間アルコール綿を押し当てる
欧米の副腎皮質機能低下症(アジソン病ですが)で、副腎クリーゼを経験した方のインタビューでは「エピペンのような形状になってくれたら、というか、そうでないと自分では手当できないだろう」という意見もありました。
[YouTube] Adrenal Disease Awareness – NADF
私は数値も悪くなく、比較的安定した日常生活を送ることができていますが、自覚症状の少ない急な枯渇を経験することもあり、副腎クリーゼになる可能性はゼロではないと実感しているので、体調が良い時の活動範囲を広げる為にも、万が一の対策はしっかり装備しようと思います。
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