第71話「万が一の備え」

副腎皮質機能低下症の患者が事故や副腎クリーゼなどで意識を失った場合、日本ではステロイドカードやヘルプマークが主な情報伝達手段となりますが、状況によってはバッグや荷物を失う可能性もあります。

欧米では「メディカルアラート」という文化があり、意識を失う可能性のある外見では分からない病気を持つ人は、その情報を記載したものを身につける習慣があります。医療機関もその存在を把握しているため、患者が意識を失った場合でも迅速に対応が可能です。

このメディカルアラートは、副腎不全に限らず、インスリンを使用している糖尿病患者・てんかん・ペースメーカー使用者・血が止まりにくい病気を持つ患者などにも使用され、意識を失った際に周囲や医療機関へ重要な情報を伝える手段となっています。

以前の海外旅行で使用していたメディカルアラート・ブレスレットが切れてしまったため、今回はネックレスに付けられるタイプを注文しました。国内で過ごす時や、ジムに運動しに行く際にも、コートリルが入ったピルケースと一緒に服の下に忍ばせています。

今回は刻印可能な商品を選び、「Adrenal Insufficiency」「Steroid Dependent」「副腎皮質機能低下症」と刻印しました。少なくとも、海外で事故に遭い意識を失った場合は、ヒドロコルチゾンの投与が必要であることが伝わるのではないかと思います。

自発機能が少し回復し、昨年の11月にコートリルを頓服に切り替えましたが、風邪や病気・怪我・過度の無理がかかるとコルチゾールが不足してしまいます。不慮の事故などの備えとして、バッグの中に入れているステロイドカードのバックアップにしようと思っています。


闘病日記 by ここ プロフィール