第63話「アレルギー」

以前は毎月通っていたアレルギー科のO先生の受診も、副腎皮質機能低下症と診断されて以来、年1回の頻度になりました。

私は、もともとアレルギー体質で、体調が良く無い時は、食べ物・薬剤・化粧品など、色々なものに反応する体質で、コントロールが結構大変でした。副腎皮質機能低下症と診断されて、不足していたコルチゾール補充をしたり、生活改善をしたことで、ほとんどアレルギーも呼吸困難も出なくなりました

ただ、何かをきっかけにコルチゾール不足になった時は、アレルギーに対応していたはずのコルチゾールも枯渇してしまい、強い症状が出る可能性はゼロじゃないので、今年も念のためにエピペンと抗ヒスタミン薬を持ち歩くことになりました。

毎年処方していただくのは、アレルギーが起きた時の第一選択肢の抗ヒスタミン薬の「ポララミン」、ポララミンが効かないレベルの時の為に「セレスタミン」、セレスタミンでは効かないレベルの時の為に「エピペン」の3種類の対処薬です。

ポララミンは、第1世代の抗ヒスタミン薬で、即効性があり、効果が強く、ただ眠くなりやすい薬なので、緊急時の頓服として使います。ポララミンを使うまでもない、軽めのアレルギーの場合は、第2世代のフェキソフェナジンを使うことにしています。

セレスタミンは、ポララミンの成分(d-クロルフェニラミン)にステロイド(ベタメタゾン)が0.25mgプラスされている副腎皮質ホルモン・抗ヒスタミン配合剤です。ステロイドが入っているので、抗ヒスタミン薬では手に追えない症状の時の為の保険です。

エピペンは、アナフィラキシー補助治療剤で、万が一気道閉塞になってしまった時に使います。これを使った場合でも、救急搬送で病院へ行かなくてはなりません。

ステロイドの作用

残っている副腎機能を失いたくないので、アレルギーが起きてしまった時も、なるべくステロイドを使わず、使う場合でも必要最低限に留めたいと思っています。

ステロイドの機能は「糖質コルチコイド」と「鉱質コルチコイド」があります。糖質コルチコイドは血糖値の上昇、ストレス・免疫・炎症を抑える作用があり、鉱質コルチコイドはナトリウムやカリウムのバランス調節を行なう役割です。

コートリル20mgの糖質コルチコイド作用の力価が1に対して、ベタメタゾン0.75mgで25〜30倍です。なので、セレスタミン(ベタメタゾン0.25mg)を1錠飲んだ場合は、コートリルを2錠飲んだ場合よりも、糖質コルチコイド作用が8.3〜10倍ほどになるという計算です。

ベタメタゾンはコートリルよりも炎症を抑える効果が高い薬ですが、Tmax(血中濃度が最も高くなる時間)は2h・半減期5h・生物学的半減期36〜54hで、作用時間が長く、HPA軸の機能抑制が強く、コルチゾール補充療法や離脱療法(漸減)には不適なステロイドです。

なので、炎症抑制に使う場合でも、なるべく炎症を抑える為だけの最小限に留めたいところです。

もし、副腎皮質機能低下症でコルチゾール不足が根本にある場合は、即効性のあるコートリル(Tmax30~60min・半減期1.5h・生物学的半減期8〜12h)でコルチゾール不足を解消して、時間差で効いてくるベタメタゾンで炎症に対応する方が、適材適所で効率的なのかもしれません。

そういう理由もあって、アレルギー科のO先生と相談の上、ポララミンとセレスタミンの選択肢の間に「ポララミン+コートリル」、セレスタミンとエピペンの選択肢の間に「セレスタミン+コートリル」という選択肢を作っています。

  1. フェキソフェナジン
  2. ポララミン(強めのアレルギー)
  3. ポララミン+コートリル(呼吸・気管に異常)
  4. セレスタミン(呼吸苦)
  5. セレスタミン+コートリル(呼吸困難)
  6. エピペン(気道閉塞)

副腎皮質機能低下症の診断後は、コルチゾール不足時の軽度なアレルギー(蕁麻疹など)の時に、フェキソフェナジンを使うことがありましたが、緊急時用のポララミン・セレスタミン・エピペンは、今のところ使う機会が無く過ごしています。


闘病日記 by ここ プロフィール