第49話「回復の為に」
前回の内分泌での絶食・コートリル抜きの結果を受けて、11月の末からコートリルを頓服に切り替えて過ごしているので、早朝コルチゾール値ではなく、ランダムコルチゾール値(朝9時〜12時・最後の服用から18時間後)を目安に採血を受けてみました。
※ランダムコルチゾール値(朝9時〜12時)
結果はコルチゾール8.1μg/dL・ACTH12.1pg/mLで、低めではあるものの、コルチゾールもACTHも基準値内に入っていて、内分泌の専門医のS先生も「やっぱり回復しているのではないか」という見立てでした。
先日読んだ副腎皮質機能低下症の回復の可能性についての論文に掲載されていた図に当てはめると、診断時のACTH刺激試験の30分後のコルチゾール値は12.7μg/dL以下で、その後もずっと低かったランダムコルチゾール値がジワジワ上がり、7.3μg/dL以上の結果を主治医が確認したタイミングで初めて「回復してる可能性がある」という見立てをいただいたので、日本でもこういった理論はベースになっているのかもしれません。
左の図「可逆的な原因で副腎機能不全を発症した患者」では、3年以内に回復する可能性が高く、もし喘息の吸入薬も影響している場合でも、右の図「ステロイド治療歴のある患者」で、デルタコルチゾールが3.6μg/dL以上の分類か、ランダムコルチゾール値が7.3μg/dL以上の分類なので、数値だけで見た場合でも、回復の可能性が高いレベルまで持ち上げることができた様です。
旅行の時にコートリルを3.75mg頓服して以来、全くコートリルに頼らずに過ごせていますが、軽い運動や活動量が多い日の夜は寝つきが悪くなることもあり、翌日の午前中は浮腫みや倦怠感が出ることもありますが、寝込む様なコンディションになることは無い様です。
一度だけコルチゾール不足の様な症状(指の関節痛・頭痛・胸焼け・息苦しさ)になり、無添加のスポーツドリンクと梅タブをチャージしてゆっくり過ごして回復できたのですが、この体験が「あと少し回復する為に何を減らせば良いのか」を可視化してくれました。
日本でも、欧米の方々の様に回復しているケース(特に特発性・下垂体炎・ラトケ嚢胞・医原性など)は時々あるらしく、薬物代謝酵素(CYP450)やコルチコステロイド結合グロブリンのことも、やはり精査できる薬は精査した方が治療がしやすいことと、コートリルを多量に服用しても効果が比例する訳ではない(むしろ効きにくくなる)ことも、会話の中で答え合わせをさせていただきました。
もし数値が良い状態がある程度続いたとしても、私の場合は初期の頃の数値が1.6μg/dLと低値だった経緯もあるので、しばらくの間はS先生の元で経過を見ていただけるそうです。予定していた検査入院は、あとひとつ回復の為に漸減している薬が断薬できた後の体調を見て、改めてスケジュールを決めることになったので、引き続き回復の妨げにならないライフスタイルを続けて行こうと思います。
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