Note欧米のコントロール方法 重要
欧米の副腎皮質機能低下症の論文ディスカッショングループや、比較的元気に過ごしている方々の情報から、体調のコントロールに役立ちそうなヒントを見つけたので情報をまとめてみました。
低血糖の仕組み
コルチゾールは糖質の代謝を調整する役割を担っており、一方でインスリンは血液中の糖を筋肉に移動させる働きを持っています。糖は筋肉や肝臓に蓄えることができますが、脳には蓄えることができないため、脳にエネルギーを供給し続けるためには、血液中に一定量の糖を保つ必要があります。
コルチゾールはインスリンに対する体の反応を低下させることで、血糖値を適切に維持するように調整しています。しかし、コルチゾールのレベルが長期間にわたって高い状態が続くと、インスリン抵抗性や2型糖尿病を引き起こす可能性があり(これはステロイド使用の副作用としても知られています)、一方でコルチゾールが不足している場合は、糖が筋肉に過剰に取り込まれてしまい、その結果、低血糖を引き起こすことがあります。
シュガーラッシュ
副腎皮質機能低下症の方々が、多量の砂糖の摂取に過剰に反応する(oversensitiveと表現されていました)理由が解説してありましたので、要約して翻訳してみました。
多量の砂糖を摂取した場合、シュガーラッシュによってインスリンの分泌量が増加します。そこで、血糖値を調節する為に、コルチゾールが全身で働き回る事になるのですが、副腎皮質機能低下症の場合は、そもそもコルチゾールがギリギリで、調節も不得意な事から、足りない部分が発生する事で不調が出たり、過剰な代謝反応と反応性低血糖で、体調が不安定になってしまいます。
コルチゾールは血糖値に対して1~4時間の短期間な小さな効果と、6~48時間の別の長期的な効果がある事から、低血糖とコルチゾール値の低下のタイミングは、必ずしも一致していない場合があり、症状が出るまでにタイムラグが発生する可能性もあるそうです。
低血糖が起こった場合は、糖分やコルチゾールの追加が必要で、更なる血糖値の変化でコルチゾールの追加が必要になる事もあるので、シュガーラッシュの予防をする事が、不調のループから抜け出し、コルチゾールの補充量を最適化する方法と解釈している方も多い様です。
エネルギーの供給源
先日の投稿でも触れた様に、運動前にコルチゾールを飲んでも飲まなくても、運動後にコルチゾールが低下している事や、コルチゾールの補充だけでは、運動時に必要な血糖値の状態を作る事ができない事が解っていて、その血糖値の反応の欠如には、エピネフリン・アドレナリンレベルが不十分であることも関係している(=やっぱりコルチゾール補充だけでは解決できない)と解釈されている様です。
アスリートコミュニティのメンバーの多くは、運動開始時の負荷からのグルコース(糖)反応が、運動中の負荷の主な原因(=低血糖の予防が鍵)という理論を基に、運動前の適切な血糖値・電解質・水分の補給に加えて、グルコースではなく脂肪酸を燃料にするという対策も取り入れている様です。
栄養状態を整えていたとしても、糖の供給源には限りがありますが、脂肪酸の供給源は豊富にある事からも、自然に近い体感で運動ができ、低血糖のリスクも減らすことができるので、コルチゾールの増量をする事なく、運動後の体調不良を防げるそうです。
その具体的な方法は、先日の投稿でも触れたZone2トレーニングや、段階的運動療法(Graded exercise therapy)を行う事で、時間の経過とともに、グルコースから脂肪酸に燃料を切り替えることができるという運動生理学の理論を基にしているそうです。
段階的運動療法を習慣にされている方の体験談でも、コートリルの追加は不要で、徐々に補食不要で運動ができるようになったというものがあり、低強度の運動には、軽度から中程度の運動時に血糖値を維持できるようにしていく効果があると認識されている様です。
日常生活の場合
食事の方法を工夫する事で、日常生活の中でもグルコースではなく脂肪酸を燃料に使って、低血糖を予防(=コルチゾール不足の予防)をする工夫をされている方もいらっしゃる様です。
例えば、ケトジェニックダイエットは、Zone2トレーニングと同様に、脂肪酸を燃料にできる仕組みなので、取り入れる事で劇的に体調コントロールが良くなったという体験談を見かけます。病状によって運動ができない場合でも、この方法なら体の負担なく取り入れる事ができる様です。
私の場合は、もともと取り入れていたグルテンフリーに加えて、シュガーラッシュに気つけて、血糖値をなだらかに保つ工夫を心がけていただけで、低血糖や低血糖が招くコルチゾール不足などの不調のループから抜け出す事ができ、QOLが劇的に改善されました。
低血糖が突然起こる場合は、ストレス要因や副腎クリーゼの兆候の場合があり、慢性的な低血糖の場合は、そもそも補充のタイミングと量の調節を検討する必要があるのかもしれません。また、シュガーラッシュでも体調不良が増えず、少量の補充量で安定して過ごせる体質の方も存在するかもしれません。
体質や病状によって効果的な方法は様々なので、最適なコルチゾールの補充量を見つけるヒントになれば幸いです。
国内外の情報や論文・コントロール良好な方の体験談などから見つけた情報を集めています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する事は「Note」へ、体験談やヒントなどは「Misc」に記録しています。
※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解である事をご了承ください。