第64話「自分の取説」
副腎皮質機能低下症と診断されて2年が経過しました。
最適な医療を受けるためには、主治医に的確に病状を伝えることが不可欠ですが、限られた時間の中で病状を正確に伝えるのは難しく、思ったように伝えられないことがあります。また、日常生活の中で、周囲の方々に病気の説明をする機会がありますが、上手く伝えられないこともあります。
そこで、内分泌以外の専門の医師や、活動を共にする周囲の方々に、自分のコンディションを説明する為の資料を作ってみました。
コンディション
健康な人のコルチゾール基礎値は10~20µg/dL+負荷試験の頂値が18µg/dL以上と定義されています。この病気と診断された頃の私は、コルチゾール基礎値が1.6μgで、最後に受けた負荷試験の頂値は5.5μgと低値で、副腎皮質機能低下症と診断されました。
その後、生活改善などで基礎的な体調を整え、現在はコルチゾール基礎値が10μg前後ありますが、負荷がかかった時に必要な分をすみやかに自発できない状態です。なので、負荷を自力で治せない時に、コートリル(コルチゾール)を服用することで、その埋め合わせをして暮らしています。
気をつけて暮らすことで、体調維持に対するコートリルの常用は不要になりましたが、負荷に対応できる機能は健康な方の半分くらいの体感です。また、コルチゾール不足になってしまった時の症状は、診断初期の頃とあまり変わりません。
コルチゾール不足のトリガー
ただ、診断初期の頃に比べて、コルチゾール不足のトリガーは、より高負荷に対応できるようになり、コートリルに頼らずにできる活動内容が増えています。
検査結果から推測する状態
おそらく、こんな感じのコルチゾールの量で生きているんだと思っています。
コルチゾール不足と症状
運動・疲労・病気・怪我などのトリガーに加え、持病と炎症からのコルチゾール不足や、炎症からのアレルギーの悪化と、呼吸困難にまで繋がってしまうことがあります。悪化すると喘息の治療(気管支拡張剤)も効かなくなり、短回のプレドニン20mg相当の治療で回復させる状況になってしまいます。
それでもダメで、自分で対処ができない状況の時は、この状況を予め伝えてある最寄りの救急外来か、内分泌で受診している病院の救急外来に駆け込むことになっています。
私はおそらく10代の頃からHPA軸の機能障害で、良くなったり悪くなったりしながら、今に至ります。その頃は対処法がわからず、頻繁に寝込んでいたり、時には救急外来のお世話になっていました。
副腎皮質機能低下症と診断されたことで、原因が特定できたので、自分の体質と付き合いやすくなり、いざとなった時のコートリルも手元にあるので、安心して暮らせるようになりました。無理の無い運動で、徐々に体力とストレス耐性をアップして、健康的に暮らせることが目標です。
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