Note血糖値スパイクの定義とリスク 国内

日本の最新の研究には、脳心血管疾患のリスクを考慮して、血糖値は食後も含めて140mg/dL以下が推奨で、60mg/dL以上の急上昇で血糖値スパイクと定義されていて、頂値が140mg/dL以下の場合でも60mg/dL以上の急上昇で血糖値スパイクと定義されていました。

線維筋痛症や慢性疲労症候群の背景に糖代謝異常が潜在している可能性がある事や、空腹時の正常血糖値は、正常者で99mg/dL以下、境界型糖尿病で100〜125mg/dL、糖尿病では126mg/dL以上である事、随時の正常血糖値は、正常者で80~139mg/dLで、低血糖は80mg/dL未満と定義されている事や、境界型糖尿病は血管合併症が糖尿病型より多く、放置すると糖尿病に移行する可能性が高い事が報告されていました。

[出典]Flash Glucose Monitoring(FGM)時代の血糖値の分類 ― 低血糖・血糖値スパイクを中心に

脳心血管疾患のリスク

2020年に掲載されたGlycative Stress ResearchAmelioration of postprandial hyperglycemia by exercise with ultra-soft rubber bandsという研究には、血糖値スパイクは連鎖反応により多種アルデヒドが産生し、血管内皮細胞障害を惹起し、脳心血管疾患の大きなリスクになるという事が報告されていました。

血糖値スパイクは、食べ方に加えて食後に軽いウォーキングなどの運動をする事で予防できる様ですが、外へ出かけられない状況の場合でも6〜10分程度のチューブトレーニングで軽い筋トレすることでも予防ができるそうです。

[出典]原著論文:日本語翻訳版 – 超軟質ゴムバンドを用いたエクササイズによる米飯負荷後の食後血糖推移に与える影響の検証:オープンレベル試験

血行動態への障害

2021年にJ-STAGEに掲載されていた「痛み医療の40年を振り返って」という研究には、低血糖・血糖値スパイクによる糖化・酸化によって、心機能の低下・血行動態への障害にまで影響があるという事が解明されている事が報告されていました。

2021年度に、第1回低血糖・血糖値スパイク研究会が発足している様なので、この研究はまだ始まったばかりの様です。

[出典]痛み医療の40年を振り返って – 低血糖・血糖値スパイクで明らかになったこと


今までは「血糖値スパイクは血管がボロボロになる」程度の認識だったのでずが、ここ数年で「放置していたら心血管疾患の大きなリスク」という認識になり、血糖値スパイクの予防を推奨している事を、今回のリサーチで初めて知りました。

健康な人にはちょっとしたリスクでも、少なからずステロイドを使う事がある病気の人にとっては、かなりハイリスクになる場合もあるので、なるべく余計な病気を増やさない為に、しっかり知識をつけ、適度な運動とヘルシーな食生活を心がける事が大事だと思いました。

2024.4.10 掲載

国内外の情報や論文・コントロール良好な方の体験談などから見つけた情報を集めています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する事は「Note」へ、体験談やヒントなどは「Misc」に記録しています。

※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解である事をご了承ください。