第57話「副腎クリーゼ」
コートリルを頓服に切り替えて5ヶ月が経過しました。
この1ヶ月ほど適度な運動を習慣にすることができ、日常生活はコートリルに頼らずに過ごせていたのですが、ちょっとした失敗から、副腎クリーゼに近い状態になってしまったので、その時のことを記録します。
友人と日帰りで弾丸旅行(コートリル無し)へ行き、その翌日は念の為ゆっくり過ごし、翌々日から有酸素運動を再開しました。体調も良く、更に体力がついてきた様な体感だったことから、通常は取り入れている「運動後のスポーツドリンク」を飲まず、軽い捕食のみでカバーしました。
副腎皮質機能低下症の場合は、運動時はコルチゾールの補充よりも、適切な血糖値・電解質・水分の補給が、運動後の体調への影響するという理論なので、今になって考えると、薄味な私の補食では、栄養が足りていなかったのかもしれません。
夕方から来客があり、夜は馴染みのお寿司屋さんへ出かけたのですが、その時点で頭痛が始まりました。そもそもお寿司屋さんは気温設定が低めな上、この日は季節の変わり目でエアコンがオフになっていた様で、隣に座っていた旦那さんも寒かった様です。
帰宅して暫くすると、手足の異常な冷え・消化器が全停止・吐き気・頭痛・判断能力低下・意識朦朧などの症状が出てきたので、とりあえずベッドに入りました。眠気というより「意識が薄れる」体感だったので、コートリル2.5mgを飲んだところ、30分ほどで速やかに回復することができました。
久しぶりに生きた心地がしない30分間を過ごしました。
運動時の栄養管理なのか、運動再開のタイミングが早かったのか、飲食店で冷えたことなのか、原因は何であれ、ちょっとした選択ミスで、コートリルの力が必要になることがわかったので、これからも補充療法の情報取集が必要だと実感しました。
そんな中、 欧米のコミュニティで話題になっているPeter C. Hindmarsh(内分泌医)とKathy Geertsma(患者家族)が2024年3月29日に出版したReplacement Therapies in Adrenal Insufficiencyという副腎不全の補充療法の書籍と出会いました。
今まで読み込んできた論文や文献と同じ様な内容ですが、患者にも解りやすく解説されているので、時間がある時に読み進めて行こうと思っています。
Peter C. Hindmarshの書籍の概要は「副腎不全の補充療法の書籍」に、欧米の運動とHPA軸の理論と方法は「コルチゾールと運動」に、Anders Hansenの理論と方法は「HPA軸を整える理論と方法」にまとめています。
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