Note第5回大阪下垂体セミナー 国内

2025年3月14日(金)12時から、オンライン配信された第5回 大阪下垂体セミナー(オンデマンドの動画配信)を視聴しました。その中の「下垂体機能低下症における副腎皮質ホルモン補充療法の実際」から、コルチゾール補充療法に関するヒントまとめてみました。

補充量の基準について

コートリルの日常の補充量は、多くても15mgまでとされ、検査でホルモンの基礎分泌・予備能を評価した上で、服用量を決定・調整することが定義されていました。

私の場合も、負荷試験の頂値が10〜14μm/dLほどあったため、少量の投与で体調を維持出来ていたことも納得できました。

服薬のタイミングについて

食前と食後ではピークの出方が異なるため、空腹時に服用し「速やかにピークを上げる」ことが推奨されていました。

ただ、病状や服用方法によっては、逆に「ゆるやかに長持ち」させる目的で、「食後の服用」にしても良いのでは?と感じました。実際、私は基本的に少量を1日1回服用していたため、朝の補食(コルチゾールに関与しないもの)を少量食べたあとに服用して、「ゆるやかに長持ち」させる方法が適していた記憶です。

服用を2回に分ける場合、2回目は昼食前後~夕方、3回に分ける場合は2回目を昼食前後、3回目を夕食前後の食前に服用することが多いそうです。夕食後の服用は、夜眠れなくなることがあるため、注意が必要であるとも付け加えられていました。

欧米の情報でも同様に、補充療法をしている場合で不眠があり、眠剤を常用している場合は、服薬スケジュールを見直すことで、不眠が解消されて、眠剤が不要になる体験談が多くあります。

投与量の調整の目安

投与量調整の目安は、自覚症状・体重・血圧・白血球分画・コレステロールなどを参考にし、可能な限り、はじめは入院の負荷試験で評価を行い、投与量を調整するのが望ましいとされています。

飲み忘れが多い場合は、長時間作用型のプレドニゾロンやデキサメタゾンへの変更・併用も可能で、カ価(薬の強さ)を合わせて調整する事もありますが、これらの薬は作用が強くなりやすく、作用過剰による代謝合併症に注意が必要とされています。

ホルモンは多すぎても少なすぎても問題があることが、改めて強調されていました。

シックデイについて

コルチゾール補充時の注意点として、シックデイの増量や副腎クリーゼについても触れられており、身体的侵襲(ストレス)がある場合、その負荷に応じて2~5倍(もしくはそれ以上)の量を服用・投与する必要があり、回復後にすみやかに漸減することが推奨されていました。

医学的・外科的ストレス ステロイド投与法
軽度 軽度発熱
胃腸炎
軽度~中等度の悪心や嘔吐
鼠径ヘルニア修復
大腸内視鏡
ヒドロコルチゾン25mg
あるいはメチルプレドニゾロン5mg
該当日のみ経静脈的あるいは経口投与
中等度 高度発熱
肺炎
重症の胃腸炎
開腹下胆嚢
半結腸切除
ヒドロコルチゾン50~75mg/day
あるいはメチルプレドニゾロン10~15mg/day
該当日のみ経静脈的投与
1~2日で通常量まで減量
重度 膵炎
胸部大手術
Whipple手術
肝切除
ヒドロコルチゾン100~150mg/day
あるいはメチルプレドニゾロン20~30mg/day
該当日のみ経静脈的投与
1~2日で通常量まで減量
瀕死 敗血症性低血圧
ショック
ヒドロコルチゾン50~100mg/6時間毎
あるいはフルドロコルチゾン0.18mg/kg/時静注+50μg
ショック離脱まで継続
バイタル・ナトリウムを見ながら漸減

運動は追加不要とされていますが、実際には激しい運動をする際に補充が必要かどうかの判断が難しく、5mgほど増量している方もいるそうです。

私自身も、運動の負荷が「少しでも」高くなりすぎると、後になってコルチゾールが足りなくなるため、必要な場合には補充が必要だと感じています。

また、精神的ストレスの影響も判断が難しく、欧米の調査(Hahner S et al. J Clin Endocrinol Metab. 100:407-416, 2015)によると、副腎クリーゼの要因として「精神的ストレス」が上位にランクインしています。

私自身も、精神的ストレスでプレ・副腎クリーゼになった経験があるので、人によっては必要になることもあると思います。

ここで重要なのは、病状や負荷に応じて必要なときは、しっかりと服薬量を増やすことだそうです。過剰な服用に対する恐怖から、追加量が1錠程度にとどまることも多く、本来は3倍程度に増やすよう指導されているものの、それ以上は増やしてはいけないと考えてしまうケースもあるそうです。

必要なときはしっかりと増量し、改善したら適切なタイミングで減量することが重要なことが強調されていました。

私の主治医も、「単発での増量は副作用の心配がほとんどない」という理論から、短回の増量は迷わず適量を服用すべきとしていました。

まとめ
  • コートリルの日常の補充量は、多くても15mgまで
  • コートリルは多すぎても少なすぎても問題がある
  • 身体的ストレスがかかる際には侵襲度に応じて適切に増量
  • 必要なときにはしっかりと増量し、改善したら適切なタイミングですみやかに減量する

国内外の情報・論文・コントロール良好な方の体験談などから見つけた情報を記録しています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する情報は「Note」へ、体験談やヒントなどは「Hint」へ、その他の内容は「Misc」に記録しています。

※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解である事をご了承ください。