Hintコルチゾールの出口
薬剤性の副腎機能低下を考えるときは、「どれだけ入れたか」だけじゃなく、「どれだけ外に出せるか」の方が大きく影響することがあるんだと思います。
コルチゾールやステロイドには、本来それぞれの“出口”があります。出口が開いているあいだは、吸入でも外用でも、低容量なら大きな問題にはならないのかもしれません。でも、CYP3A4を阻害する薬剤が加わったり、甘草のように代謝のルートを止めてしまうものが入ると、その出口が塞がってしまいます。
また、肝機能の状態も“出口の広さ”に関わっていると思います。
出口が塞がっている時期は、たとえ低容量でも体内にとどまりやすくなり、“思っている以上に効いてしまう”ことがあります。こうした蓄積が続くと、気づかないうちにHPA軸の働きが鈍くなって、薬剤性の副腎不全に近い状態に振れてしまうケースもあるみたいです。
なので、欧米の患者さんのように、服薬はできるだけシンプルにしておき、補充療法をしている間は、サプリや甘草の入った漢方薬など、コルチゾールの代謝に影響するものをむやみに増やさないようにすることが、安全に過ごす一つの工夫になるのかなと思いました。
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※体験をもとに整理した内容であり、医学的助言を目的としたものではありません。医療に関する判断を行う際は、必ず医師にご相談ください。
