Misc本当の助け合い

私が闘病を始めたころは、ほとんどの人が「増量派」で、今振り返ると(内分泌の先生方も)驚くようなコートリルの飲み方が当たり前のように広まっていました。そんな情報が中心になって、この病気の知識が誤った形で拡散されていた時期でした。

私が自分でみつけた「減薬」や「回復」という情報も、当時の増量派の大勢から全否定されて、そうした内容はSNSに書かないように、言われたこともありました。でも、回復できるはずの人が未来を失ってしまうのは見て見ぬ振りができず、ブレずに必要な情報だけを残してきました。

その後少しして、国内の公式セミナーなどでも、一部のケースが回復することが確認できたので、「減薬」や「回復」を否定する人は見かけなくなりました。他の患者さんに「飲め飲め」と勧めたり、ステロイド増量の副作用を軽視するような発言も、少しずつ減っていったように感じています。

誰かが誤解を招くような発言をしていると、DMやブログ経由で匿名で教えてくれる方が何人かいて、そういう情報が耳に入った時は、私が分かる範囲のことは患者の視点で答えて、間違った情報が拡散されたままにならないように気をつけています。

もしこういう流れがない場合、また昔のように「増量派」が中心になって、ステロイド増量の副作用を軽視する情報が広まってしまうのかもしれません。このように、伝えてくれている方々も、それを懸念しているんだと思います。

副腎皮質機能低下症の補充療法は、初動がとても大事です。でも、この病気の初期の頃の人は、判断力が低下していることも多いので、なるべく選択肢が狭くならないように、先輩方がそっと支えてあげられるような雰囲気になれるのが「本当の助け合い」だと思っています。

慰め合うだけが助け合いではなくて、その人が将来困らない方向に進めるように、必要な知識を静かに手渡してあげることも、すごく大事なんじゃないかなと思いました。

2025.11.20 掲載

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※体験をもとに整理した内容であり、医学的助言を目的としたものではありません。