Hintコートリル調整の誤解 必読

コートリルの飲み方で、「体調が悪いけど我慢してギリギリで耐えた」という話を見かけることがありますが、軽症や回復傾向の人を除き、コルチゾールは足りなくなると“耐える”という選択肢がないので、体調が不安定でコントロールが悪い人は、ギリギリを攻めるのは危ない気がしました。

ここから先は、状況ごとに分けて整理してみます。

コントロールが悪い人

体調が不安定で、日によって波が大きい段階の人。

  • ギリギリで粘るのは危険
  • 足りなくなる前に先回りして体調を整えることが大事
  • 少なめでも安定して過ごせる土台づくりを優先する
  • ただし、緊急時以外に「どんどん足す」のはNG(少しでも余り続けると死亡率が上がる研究があるため)

不安定な時期は、「攻める」よりも「乱れないように守る」ことが優先で、普段の細かい調整で“緊急時”を起こさないように備える段階なんだと思いました。

コントロールが良い人

安定して過ごせていて、体がある程度負荷に耐えられる段階の人。この層は、基本的に“必要最低限の量で良い”側の人たちです。

  • 少なめの量でも日常を維持できる状態になっている
  • 体調の波が小さいため、余りすぎない“ギリギリ”のラインが安全域
  • むしろ余り続ける方が健康リスクが上がるので、ギリギリが理想的
  • 回復傾向にある人は、このギリギリを活かして自発の戻りを確認することもある

ここは「コントロールが良い人だけのフェーズ」で、土台が整ってはじめて成立する調整だと思いました。不安定な段階の人が真似すると危ないので、見分ける必要がありますね。

ちなみに欧米の患者さんの多くは、自発がないアジソン病の方も含めて、補充療法で体調を安定させている人が多い印象があります。なので、自発の有無だけではなく、生活全体の健康状態や日常の安定度が、どんな補充療法を目指すべきかを決めているように思います。


2025.11.15 掲載

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※体験をもとに整理した内容であり、医学的助言を目的としたものではありません。医療に関する判断を行う際は、必ず医師にご相談ください。