Misc自己注射の海外持ち出し

処方されているソルコーテフ自己注射を、次の海外旅行へ念のために携帯することになっています。
この病気がレアで、国内での使用例が少ないことからも、書類の準備には少しコツがいるため、機内持ち込みの情報を記録しました。

今は数値も調子も良い状態なので、持って行かなくても良いと思ったのですが、ACTHが正常に働いているかどうか検査していないこと、海外では医療がすぐ近くにあるとも限らないこと、そして飛行機の中でクリーゼを起こした場合の保険という意味でも、念のために持って行くことにしました。

早めに必要な書類(日本語と英語の診断書)を病院にお願いして作成してもらっていた場合でも、旅行の日までに空港のアップデートがあれば、それに対応できなければ空港で止められてしまう可能性があるというリスクがありました。

運が悪い場合は、診断書作成料(1万円前後)を何度も支払うことになったり、最悪なのは出発直前のアップデートで薬剤を持ち込めなくなること、または診断書の内容によっては、ハイリスクと判断され飛行機に乗れない場合も考慮する必要がありました。

この経験から、あまりギリギリは良くないのですが、事前に病院に作成を依頼した上で、出国の2週間くらい前を目安に作成してもらうのがベストのようでした。

2023年12月時点では、英文の診断書に「FIT TO FLY」という文言がないと、病気の診断書と注射器を持っている人を通せない可能性があるとのことでした。
この情報は随時アップデートされるので、投稿前に空港へ確認して反映する必要があります。

※実際にいただいた診断書(日本語版・英語版)

この診断書をいただいた時点ではコートリルは断薬できていましたが、渡航時は服用することと、予備のコートリルを携帯することも想定して、5mg/dayで記載してもらいました。
実際に渡航した際は、災害や事故も考慮して、コートリルを100錠ほど携帯しました。

これらの薬剤は機内持ち込みが前提と診断書にも書かれていますが、低温で薬の作用が変わる可能性があるため、予備のコートリルも貨物室ではなく手荷物で運ぶことが副腎不全の補充療法の書籍でも推奨されています。

欧米ではインジェクションキットのパッケージやシールが販売されていますが、国内にはキットもパッケージもなく、バイアル(粉)・アンプル・シリンジ・針2本という内容で処方される形です。
その点では日本版は少し不便ですが、このキットのおかげで海外旅行にも安心して挑めるようになりました。

2024.2.7 掲載

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※体験をもとに整理した内容であり、医学的助言を目的としたものではありません。