Misc電解質異常の対処法

電解質は体内の水分バランスや筋肉、神経の機能を維持するために不可欠です。特に副腎皮質機能低下症の患者にとって、電解質管理が体調維持に大きな影響を与えるため、異常が発生した場合には迅速かつ適切な対処が重要です。

ナトリウム

ナトリウムは血圧の調整に関わるだけでなく、筋肉や神経の正常な機能維持にも重要な役割を果たします。
高値:無気力、ミオクローヌス反射、混乱、眼振、頻脈
低値:吐き気、嘔吐、無気力、けいれん、神経障害

カリウム

カリウムは、心臓の健康を支える電解質であり、筋肉の収縮や神経信号の伝達をサポートします。
高値:心不整脈、しびれ、呼吸困難
低値:筋力低下、疲労感、不整脈

マグネシウム

マグネシウムはエネルギー代謝を促進し、筋肉や神経の機能を維持するために欠かせないミネラルです。
高値:深部腱反射低下、紅潮、頭痛、吐き気、眠気
低値:筋力低下、けいれん、震え、いらいら、不眠、眠気

[出典]Electrolyte cheat sheet – Adrenal Insufficiency Coalition

このように、電解質は過剰でも不足しても体調に影響を与えます。日頃から栄養バランスを整え、電解質の安定を保つことで、体調不良を未然に防ぐことが可能です。

日常の栄養管理

ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどの電解質を意識しつつ、必要なビタミンやタンパク質も摂取することが推奨されます。水分補給も忘れずに、適切な水分と塩分を日常的に取り入れることが重要です。

特にカリウムやマグネシウムなどのミネラルは、サプリメントで摂取すると過剰摂取のリスクがあり、過剰でも不調が出るため、食べ物からの摂取が推奨されます。食品から摂る場合、体が必要な量だけを効率よく取り込むメカニズムなので、過剰摂取の心配が少なく、バランスの取れた栄養管理が可能です。

不調を感じた場合

日常的な栄養管理にもかかわらず、疲労感・倦怠感・低血圧などの不調を感じる場合は、スポーツドリンクでの対処が有効です。軽度の電解質バランスの乱れであれば、スポーツドリンクで改善することが多いです。

ただし、過剰にスポーツドリンクを摂取すると、糖分・カリウム・マグネシウムなどの過剰摂取のリスクに繋がります。なので、コートリル追加を検討する前の緊急時の対策という位置付けとして、日常的に多用しない事も重要です。

それでも改善しない場合

不調の原因がコルチゾール不足に起因している可能性があるため、スポーツドリンクなどで対処しても症状が改善しない場合、コートリル(ヒドロコルチゾン)の追加を検討します。症状や体調に応じて、主治医に相談しながら適切な補充量を調整します。

2024.10.21 掲載

国内外の情報や論文・コントロール良好な方の体験談などから見つけた情報を集めています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する事は「Note」へ、体験談やヒントなどは「Misc」に記録しています。

※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解です。