Miscフィルターバブルの影響
闘病ブログを運営する中で、同じ病気の方から相談のメッセージをいただくことがあります。以前はSNSでの情報交換を勧めることもありましたが、最近は紹介しなくなりました。その理由は、ブログだけを読んでいた方をSNSにつなげたところ、ネガティブなフィルターバブルに巻き込まれ、かえって病状が悪化してしまったケースを目にしたからです。
一方で、SNSを利用せず、色々な方のブログを参考にしながら情報を取捨選択している方の多くは、比較的低用量の2.5mgで長期的に維持できていたり、国内外のお仕事でも活躍されているなど、病状が安定しているケースが多いように感じます。
フィルターバブルとは?
フィルターバブルとは、自分と似た価値観の人ばかりとつながる現象で、これは闘病にも当てはまります。同じ病気の人とのつながりが励みになることもありますが、必ずしもプラスに働くとは限りません。
情報選びで変わる病状
たとえば、病状が安定している人を参考にすれば、「自分も良くなるかもしれない」と前向きな気持ちになれるかもしれません。しかし、状態が悪い人の話ばかりを聞いていると、「コートリルってこんな時も飲んでいいのか」「こんな飲み方をしてもいいのか」と思い込み、気づけばちょっとしたことでコートリルを1錠単位で追加するようになり、量が増えることで主治医も処方を出し渋るようになることも。
その結果、個人輸入でコートリルを手に入れ、主治医に隠れて密かに増量するようになり、病状を悪化させてしまうというケースも目にしました。コントロールが悪くなることで、職場との調整が上手くいかなくなり、離転職を繰り返してしまうという悪循環に陥る人も少なくありません。
もちろん、共感できる場が必要なときもあると思います。病気に対する悔しさや辛さを分かち合えるのは、同じ経験をしている人だからこそ理解できることも多いでしょう。しかし、それによって「負のスパイラル」に陥るなら、距離を取ることも大切だと考えています。
リアルなつながりの大切さ
私自身は、SNSでの情報交換は必要最低限に留め、まず身近な家族や周囲の人たちの理解を得ることに注力しました。それが結果的に、自分が暮らす環境をより良くすることにつながったと感じています。リアルなコミュニケーションが増えることで、脳に優しいSNS習慣で書いたようなライフスタイルを意識することができるようになりました。
情報選びは自分次第
私は、なるべく病状が安定している人や、改善を目指している人、改善している人の情報を参考にすることで、前向きな選択肢に目を向けるようにしてきました。逆に、「この病気は治らない」「減薬なんて危険」「減らせない人の気持ちも思いやってほしい」といった考えばかり目にしていたら、たとえ良くなるチャンスがあっても、それを掴めなくなってしまっていたかもしれません。
少しでも前向きに、改善の可能性がある道を選びたいなら、フィルターバブルの影響を意識し、自分にとってプラスになる情報を選ぶことが大切だと思います。