Misc根本解決の視点

これはあくまで私が感じていることですが、欧米のコミュニティの患者さんに比べると、日本の患者さんは回復する人が少なかったり、何故か体調が安定しづらいと訴える人が多いように感じます。その背景のひとつに、甘草も関係している可能性もあるのかもしれないと感じています。

というのも、欧米のコミュニティには「不定愁訴を漢方で整える」という文化がほとんどなく、甘草のリスクについても知られているので、副腎皮質機能低下症で補充療法をしていて、甘草を習慣的にとる人はほぼ見かけません。特に回復期で減薬中の人は、食品や日用品からの摂取にもかなり注意しています。

日本では、不調を訴えると甘草入りの漢方がわりと気軽に処方されることが多く、食品添加物や飲み物、化粧品やお菓子などにも甘草(グリチルリチン)が含まれていることがあります。患者さんが自分で成分を確認して気をつけていない限り、知らないうちにコートリルと甘草を組み合わせてしまうことも、けっこう多いのかもしれません。

甘草はコルチゾールを濃くする働きがあるので、プラマイゼロの補充療法の邪魔になることもあると思います。短い期間であれば「少し楽になった」と感じることもあるかもしれませんが、多くの場合はコルチゾールが濃くなっているだけで、根本解決できたわけでもなく、続けていくうちに良くない影響が出る可能性もあります。

欧米の「off the table」にリストされているものには、それぞれきちんとした科学的な理由があります。私の闘病でも、新しいものを次々に試すより、今あるものを見直し、気づかないうちに負担になっていたものを手放し、根本から解決できることに力を注ぐほうが、結果的に回復や安定への近道になったように思います。

一時的に楽になる成分や方法は世の中にたくさんありますが、欧米の患者さんは、食事内容を整えたり、無理のない運動を続けたりと、なるべく薬だけに頼らず過ごせるような改善を日々重ねています

特に副腎皮質機能低下症の場合は、余計な薬や成分を減らす視点がとても大切なので、そんな工夫や習慣を意識することも、回復や安定につながる土台になるのかもしれません。

2025.8.14 掲載

欧米のコミュニティや患者さんが執筆した書籍では、具体的で実践的な知恵がたくさん紹介されています。このブログでは、そのなかから「病院では教えてもらえない工夫」を学び、自分でも試して効果を感じられたことを記録しています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する情報は「Note」へ、参考になった情報は「Hint」へ、その他の情報は「Misc」にまとめています。読んでくださった方が、自分なりの工夫を見つけるヒントになればうれしいです。

※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解です。