補充療法の限界と工夫 必読
コートリルを使った補充療法には、限界があることが最近の研究で指摘されています。
例えば1日3回の投与で、朝に10mgを飲んでも、グラフにあるようにピークと谷の差が大きくなり、谷の時間帯ではコルチゾールが不足し、体調不良を起こしやすいタイミングになってしまいます。そこで、この図のように朝の服用を7.5mgに減らし、投与を4回に分けることで、体調が整う人もいるそうです。
最近の研究では、症状が安定する最小限の量(英語ではsmallest effective dose)で、本来のリズムに寄せていくことが重要と言われています。ただ、それを実現した状態(上記の図の右側)は、余裕のある時間がほとんどなく、むしろ不足気味の時間の方が多いのがわかると思います。
でも、これが副作用や合併症を防ぐ唯一の方法とされています。
この状態で暮らしていく為には、日常生活で小さな負荷を徹底的に削っていくことが欠かせません。プラマイゼロを目指すというよりも、「プラスを作らないためにマイナスを耐える」のが今の補充療法の限界なのかもしれません。
副腎皮質機能低下症は、「完全にゼロか正常か」ではなく、人によって残っている機能や不足の程度に幅があります。また、下垂体や副腎を外科的に完全に失ったケースのように、本当に自発がゼロに近い場合を除けば、少なからず自発が残っていることも多いと思います。
そして、もし自発機能が少しでも残っていれば、この「マイナス」の部分を自力でカバーできる余力があるということだと思います。私も、少なからず残っている自発を頼りに、「コルチゾールの無駄使い」を減らしながら過ごしています。
新しい治療法
日本でも徐放型ヒドロコルチゾンが導入されれば、自発が少ない人にとって「コルチゾールが切れる時間帯」を減らせる有効なツールになる可能性があります。ただ、その薬が使える国でも、それなりに自発が残っている人の多くは、コートリルと自発のハイブリッドで、自発をなるべく温存する心がけをしている印象です。
追いコートリルの落とし穴
今の補充療法では、どうしても不足の時間は残ります。この不足を「追いコートリル」や甘草入りの漢方薬などで埋めようとすると、過剰投与の方向へ行ってしまい、残っていたはずの自発も抑制されてしまう可能性もあると思います。
まずは自分の状態を知ること、そして、足りない部分を補いながら、今ある機能をできるだけ守る方法を考えていくことが大切だと思いました。
参考資料
Hindmarsh, Peter C.; Geertsma, Kathy. Replacement Therapies in Adrenal Insufficiency. Elsevier Science. Kindle.
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※この記事で紹介している文献や論文は、情報が乏しいこの病気において、改善の糸口を探るために部分的に参考にしたものです。あくまで個人の体調管理のヒントとして活用した記録なので、医学的な普遍性や効果を保証するものではないことをご理解ください。
補充療法の考え方
コートリルをただ「足す・減らす」だけで考えるのではなく、体の状態や生活の負荷、回復の流れを見ながら、補充療法をどう理解していくかをまとめています。
読んでくださった方が、自分なりの工夫を見つけるヒントになればうれしいです。
医療に関する判断を行う際は、必ず医師にご相談ください。