Misc回復の為にできる事
欧米の情報では、続発性副腎皮質機能低下症の一部は回復できるケースがあると言われています。
標準的な15mgの服用を続けている中で、突然機能が戻る場合もあれば、ACTH治療からのヒントにあった「経口補充の量を減らして、特に夜間にACTHの合成を強制する」という方法で回復する場合もある様なので、適量のコートリルの補充か、ちょっと少なめと感じる量で暮らして行く事が、回復のチャンスを失わずに過ごせるのかもしれません。
日内変動を考慮した通常の服薬方法であれば、朝多め・夕方までに少量を服用する事になっていて、夜中には完全に切れる状態が作れるので、特別に何かしなくてはいけない訳でもなく、余計なコートリルの追加をしないようにしていれば、自然なACTHの生産の機会が作れるのかもしれません。
欧米とのギャップ
シックデイの定義は、欧米も国内もほとんど同じ内容になっていますので、ここで取り上げる「コートリルの追加」は、シックデイと活動量の超過以外のケース(単純に体調不良の場合)のお話です。
欧米では、気軽にコートリルの追加している方は見かけず、むしろ、なるべく服用するステロイドを増やしたくないと考える方々が多く、生活改善などの工夫をしながら、生涯なるべく少ない維持量で過ごす事を目標にしている傾向です。
日本では、解決できそうな不調でも、とりあえず薬で抑えるのが第一選択肢と考える方が多い傾向ですが、欧米では、栄養や生活を見直す事で、様々な不調も解決する傾向で、ステロイドの副作用と食習慣からの糖尿病や骨粗鬆症を予防する意識も高いように感じます。
副腎皮質機能低下症は、ステロイドの服用と、コルチゾールの調整が弱い事からも、血糖値コントロールがうまく出来ず、健康な方よりも血糖値スパイクになりやすく、その影響からの不調だけでなく、将来的に糖尿病になるリスクも高いので、健康な方々よりも注意が必要です。
適量の見つけ方
薬の適量や症状は個人差がとても大きいので、なかなか一概には言えませんが、私の体験談としての適量の見つけ方をまとめてみました。
私は勘が鋭いからなのか、コルチゾール過多の場合の体感と、コルチゾール不足以外の不調と、コルチゾール不足の症状を見分ける事ができました。コルチゾール不足の症状にも、コートリルを追加しないと回復できない場合、コートリルを追加すると緩和するが、おそらく他の方法(電解質の補給・低血糖の場合はラムネ・頻脈には頻脈の薬など)でも対応できる場合の2種類がありました。それ以外の症状は、一般的な不定愁訴(健康な人でも多少の不調がある)で、コルチゾール不足の症状にも似ているのですが、放置していても生命の危機に繋がる心配が無いものでした。
私のコルチゾール不足の症状は、倦怠感・吐き気・関節痛・頭痛・判断能力の低下・消化器症状・手の震え・血圧低下・低血糖・頻脈・呼吸困難です。この症状が複数同時に出た場合で、その症状が不可逆的な(ちょっと休憩しても解決できない)場合、外出時などの移動中で休めない時、意識が遠くなっている場合や、救急車を呼ぶか迷うようなレベルの場合は、迅速にコートリルを追加するように決めていて、その他の(生命の危機に繋がらない)小さな不調や、自律神経から来る不定愁訴は、餅は餅屋方式で、それぞれの不調に適した対策や生活改善で解決するようにしていました。
餅は餅屋方式で解決できた場合でも、コルチゾール不足が根本にあって、症状を繰り返す場合もあって、生命の危機に繋がる部類のもの(例えば夜間低血糖など)は、迅速にコートリルを追加しないと危険なのですが、例えばこの夜間低血糖は、食事の改善で昼間の血糖値を安定させる事で、全く症状が出なくなったので、生活改善で体調を整える事が、コートリルの追加を減らす重要な役割だと思いました。
ステロイドは、増やすのは簡単ですが、減らすのがとても大変でリスクも伴う薬です。また、ステロイドは何にでも効いてしまうので、精神的にも依存しやすい薬だという事を忘れずに、いつの間にか小さな不調にもコートリルを使っていないか等、見直す事が大事だと思います。
記憶より記録
どうしても動けない時や、意識を失いそうで危ない時は、とりあえずコートリルを飲むしかないのですが、もし、その頻度が極端に多い場合は、原因を探って解決する事で、コートリルを増やさずに、上手くコントロールができるようになる事もあると思います。
その為に欧米の方々がやっている事のひとつに、服薬と症状のレコーディングがあります。
私も初期の頃から、医師の父の勧めもあって、服薬量・追加の有無と量・追加の理由・1日の体調メモ(朝の症状・日中の状態・睡眠の質)・イベント・血圧と脈を、症状日記と称して毎日記録して、データ化して可視化して、自分自身の状態を客観視する材料にして、生活や行動の改善点を見つけていました。
このデータを元に、内分泌の受診日に自分の状態を的確に伝える事ができたのも、大きなメリットになりました。人は過ぎた事は(特に辛い記憶は)忘れてしまう傾向があり、病気の時は記憶力も判断力も落ちるので、記録して振り返る機会を作る事が大事だと思っています。
コートリルの追加量だけをグラフに可視化した事で、自分が追加し過ぎていないのか、今の服用が適量かの判断をする材料にもなり、なるべく追加せずに過ごせる事を目標にする事ができました。
国内外の情報や論文・コントロール良好な方の体験談などから見つけた情報を集めています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する事は「Note」へ、体験談やヒントなどは「Misc」に記録しています。
※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解です。