Misc血糖値データと補充量の微調整

2018年に発表された「中枢性副腎皮質機能低下症の成人患者における隠れた低血糖の検出と、コルチゾール補充療法の最適化におけるCGM(持続血糖測定器)の使用」という論文には、CGMを用いた低血糖の改善およびQOL(生活の質)の向上に関する記載がありました。以下にその概要を翻訳します。

副腎不全患者には適切なコルチゾール補充が必要ですが、その適量を示す生物学的指標は限られており、医師は主に臨床判断に基づいて補充の過不足を示す兆候や症状を慎重に評価する必要があります。

十分なコルチゾールを投与されていると見なされる患者でも、朝に頭痛や体調不良を訴えることがあります。本研究に参加した6人の患者にCGMを用いて血漿グルコースレベルを測定した結果、5人(83%)において深夜から早朝にかけて低血糖エピソードが確認され、これが夜間低血糖によって引き起こされていた可能性が示唆されました。

CGMの結果を基にコルチゾール補充量と投薬スケジュールを微調整し、さらなる低血糖を回避するための血糖値の再評価を行いました。その結果、全てのケースで夜間および隠れた低血糖の発生が防止され、投薬計画の微調整によって全患者の症状が改善されました

この研究は、CGMが隠れた低血糖を特定し、コルチゾール補充療法の最適化を通じて中枢性副腎皮質機能低下症患者の生活の質を向上させるための有効なツールとなる可能性があることを示しています。

[出典]Usage of continuous glucose monitoring (CGM) for detecting an unrecognized hypoglycemia and management of glucocorticoid replacement therapy in adult patients with central hypoadrenalism


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