Misc増薬以外の選択肢
副腎皮質機能低下症と診断されて、なかなか体調が整わなかった頃に、服用しているコートリルの量を増やす選択をしませんでした。その理由は、多めに服用している方々の体験談を読む限り、明らかに不足している時の単発投与を除き、ベースの量を増やしたところで体調が整うわけではなく、むしろコントロールが悪くなっている印象を受けた事がきっかけでした。
コートリルは、量を増やすのは簡単ですが、元の量に戻すのが結構大変です。私の場合は、副腎の予備能がゼロではなかったので、なるべく機能を失わず、病気を悪化させたくないという目標もあったので、薬を増やす以外で出来る事で、体調を整える工夫を続けています。
その中で、いつも心の片隅に入れてあるヒントをまとめてみました。
- コートリルは多くても不調の原因になる
- 低血糖はコルチゾール不足の原因になる
- 運動や活動も低血糖の原因になる
- タイミングや量の微調整も重要
コートリルは多くても不調の原因になる
コートリルは微量でも余り続けると副作用につながる事が、副腎皮質機能低下症の論文にも書かれています。ステロイドの作用と副作用にまとめた通り、ステロイドには長期的な副作用があると同時に、短期的な副作用も飲みすぎているサインでした。
短期的な副作用の中でも、浮腫や低カリウム血症は、不定愁訴の原因になり、全身のだるさ・筋力低下・疲労感・関節の違和感や痛み・動悸や心拍の乱れ・消化器症状・息苦しさ・集中力の低下・精神症状など、コルチゾール不足と似た症状です。
コートリルの利用能にまとめた通り、体質や接種している薬や物質の影響で、効果が強まったり弱まったりするので、体重や体表面積から算出した量だから適量という訳でもなく、欧米では補充療法の漸減アプローチが推奨されている事もヒントになりました。
低血糖はコルチゾール不足の原因になる
血糖値の変化は体の負荷になり、コルチゾール値に影響を与えるというメカニズムで、コルチゾールは血糖値に対して1~4時間の短期間な小さな効果に加え、6~48時間の長期的な効果があるそうです。なので、低血糖とコルチゾール値の低下のタイミングは、必ずしも一致していない場合があり、症状が出るまでにタイムラグが発生する可能性もあるという知識もヒントになりました。
1日のどこかで低血糖になっている場合、その対策をして低血糖を予防する事で、体調不良が減って、コートリルを飲む頻度が減る(常用の場合はベース量が減らせる)可能性が高く、欧米では、糖質との付き合い方の指導を医師から受けているケースや、減薬や適量模索の時に甘いものを控えるケースを見かけます。
基礎的な体調がある程度整って頓服になった今でも、血糖値管理を怠った場合、不調が増えて頓服の回数も増え、その影響で副腎機能がコートリルをあてにするからか、しばらく不安定になり、コントロールできていた他の持病(喘息・アレルギー・ヘルニア・体の痛みなど)も再発してしまいます。
具体的な対策
低血糖の予防と対処法にまとめた通り、低血糖が起こってしまう前に、日常から予防する事と、生命に関わらないレベルの軽い低血糖に、血糖値が急激にあがる甘いものや、ブドウ糖の入ったスポーツドリンクを多用しない事も大事でした。
また、血糖値スパイクの定義とリスクや欧米のコントロール方法にまとめた通り、シュガーラッシュもコルチゾールに影響するので、血糖値スパイクを予防する事も大事でした。
運動や活動も低血糖の原因になる
運動や活動も低血糖のきっかけになります。コルチゾールと運動にまとめた通り、運動や体を使う作業も含め、体に負荷となる活動をする前に、あらかじめ血糖値対策をしておく事も大事でした。
タイミングや量の微調整も重要
サーカディアンリズム投与にまとめた通り、服薬するタイミングの調整で不調が減って、コートリルの量を増やさず、コントロールが良好になる可能性がある様です。また、血糖値データと補充量の微調整にまとめた通り、研究では、すべての患者の症状に改善が見られたそうです。
明らかなコルチゾール不足の場合を除き、増やす選択肢だけではなく、減らす事で適量になる可能性を視野に入れておく事も、私の闘病の大きなヒントになりました。
国内外の情報や論文・コントロール良好な方の体験談などから見つけた情報を集めています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する事は「Note」へ、体験談やヒントなどは「Misc」に記録しています。
※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解です。