Mind論文を読むメリット
副腎皮質機能低下症と診断されてから、治療法を選んだり生活の質を向上させるために、私が最も頼りにしたのが「論文」でした。論文を読むことで、信頼性の高い情報や新たな知識を得ることができ、病気と闘う上での心強い武器になりました。
論文って何?
論文は、研究者や専門家が自分たちの研究結果や新たな発見をまとめた文章で、主に次のような目的で書かれます。
- 新しい知識や発見を共有する
- 他の研究者や専門家が活用できる基礎情報を提供する
- 科学や医学の進歩に貢献する
医療分野では、論文が治療法の選択や新しい薬の開発などに大きく関わっています。
論文の構成
論文は難しいイメージがあるかもしれませんが、基本的には以下のような構成で書かれています。
- 概要(Abstract):研究の目的や結果を短くまとめた部分
- 序論(Introduction):研究の背景や目的の説明
- 方法(Methods):研究の手順やデータ収集の方法
- 結果(Results):得られたデータや成果
- 考察(Discussion):結果の解釈や意義の説明
- 結論(Conclusion):研究のまとめと今後の課題
- 参考文献(References):使用したデータや情報源
論文を読むメリット
特に副腎皮質機能低下症のような情報が少ない病気と闘う方にとって、論文を読むことには次のようなメリットがあります。
- 国内外で行われた研究の結果や新しい治療法を知ることで、今後の選択肢を広げることができる
- 主治医以外の専門医や研究者の意見を知ることで、病気への理解が深まる
- 科学的な根拠に基づく情報を学ぶことで、治療や生活の選択に役立つ
- 病気や治療法について詳しく知ることで、日々の生活に役立つ実践的な知識が得られる
私自身、副腎皮質機能低下症と診断された後、主治医のアドバイスに加えて、さまざまな論文から多くの知識を得ました。例えば、ホルモン補充療法の効果やリスク、さらには回復の可能性について、国内外の専門医が執筆した論文を参考にしました。その知識をもとに治療に取り組んだ結果、自発コルチゾールが出せる状態になり、2023年11月にコートリルを常用から頓服に移行できました。
論文を読むポイント
論文は少し敷居が高いと感じる方もいるかもしれませんが、病気と闘う中で得られる知識や希望の大きさは計り知れません。特に副腎皮質機能低下症のように情報が限られている病気の場合、論文は貴重な情報源になります。
「全部を読むのは大変そう」と思う場合は、概要(Abstract)や考察(Discussion)の部分だけでも目を通すだけで、研究の結論や重要なポイントを簡単に理解することができます。
論文を選ぶポイント
論文であればどれも信頼できるわけではありません。その信頼性を判断する目安のひとつとして、「被引用数」を参考にする方法があります。被引用数とは、その論文が他の研究や論文でどれだけ引用されているかを示す数値です。一般的に、被引用数が多いほど、その論文が他の研究者から評価され、参考にされている可能性が高いと考えられます。
その他、論文が掲載されているジャーナル(専門誌や学術誌)が査読付き(厳密な評価や審査を通過している)であるか、またその分野で権威があるか、論文の著者がその分野でどのような研究実績を持っているかなどを意識することで、より信頼性の高い情報を選び取ることができるようになります。(参考:文献参考のヒント・参考にしている文献)
論文引用のルール
論文は医師や研究者でなくても引用し、自分の意見をブログや記事に書くことができますが、出典情報を正確に記載し、引用部分が全体の主とならないよう注意し、自分の意見や解釈を記事全体の半分以上含めることが必須です。
私は念の為、「※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解である事をご了承ください。」という注意書きを全記事に表示して、読者に誤解を与えないよう配慮しています。このような注意書きを設けることで、記事を読む方に情報の位置づけを明確に伝えられるのでおすすめです。
論文を読むのに役立つサイト
PubMed:
米国国立医学図書館(NLM)が提供する医療や生命科学分野の論文データベースです。膨大な数の医学研究や臨床試験の結果が公開されています。
Google Scholar:
Googleが提供する学術文献検索エンジンです。医学だけでなく、あらゆる分野の論文や学術書、学会発表資料などを簡単に検索することができます。