Mind医療と自分の役割
私は医療機関を営む家庭で育ちました。そんな環境だからこそ、「医療による治療」を100%信じきれない自分がいます。これは決して医療を否定するものではなく、日本の医療制度が抱える現実を知っているからこその感覚です。
医療制度の抱える矛盾
日本では「適切な医療を行うと赤字になる」という現実があります。医療機関が患者さん一人ひとりに丁寧に時間をかけ、必要な治療を提供する。それ自体は理想的なことですが、現実問題としてそれを続けるのは経営的に非常に厳しい場合が多いのです。この構造的な矛盾が、医療現場で働く人々の悩みの種になっているのを目の当たりにしてきました。
また、大きな病院の医師は、「自分だけが異なることをして目立つのは良くない」と考える立場を取ることが多いようです。組織の中で働く以上、それもある意味では仕方のないことかもしれません。チーム医療を重視する中で、一人だけ突出したやり方をすることが組織全体に影響を与える可能性があるからです。
でも、そうした制約がある一方で、患者さんの立場からすると、「もっと個別に合った治療があれば…」と感じる場面も少なくありません。
自分自身で補う努力
私自身も、主治医から多くの貴重なアドバイスをいただいています。とても信頼できる先生で、これまで私の健康を支えてくださったことに感謝しています。ただ、それだけに頼るのではなく、自分でも勉強を重ねています。日本の医療ではどうしてもカバーしきれない部分を補うために、自分なりに情報を集めたり、新しい知識を取り入れたりする努力をしています。
たとえば、食事や生活習慣の改善、海外の医療情報を参考にすることなど、日本で受けることができる医療とはまた別の視点で、健康を支える取り組みをしています。医療だけでは補えない部分があるからこそ、自分自身でできることを探して実践する——その積み重ねが、私にとっての健康管理の重要な柱になっています。
難病を支える自己管理
副腎皮質機能低下症は難病なので、多くの場合、完全に回復するのは難しいとされています。そのため、医療の力に頼ることはもちろん重要ですが、それだけに頼り切ることはできません。特に、食べ物から得られる栄養が体調に与える影響は非常に大きいため、日々の食事や生活習慣を見直すことが欠かせません。
また、適切な情報を集め、それを実際に実践することが、この病気を管理する上での大切な鍵になります。こうした努力の積み重ねが、難病と向き合いながら健康を維持するための柱になるのではないでしょうか。