Misc自発コルチゾールが無い場合 体験談
欧米の副腎皮質機能低下症のコミュニティで、自発コルチゾール無しのケースとして情報交換してる方々は、免疫療法・副腎を摘出・下垂体を全摘・長期の高容量のステロイド服用などのケースがほとんどでした。その中から参考になりそうな投稿を抜粋してみました。
Aさんのケース
免疫療法が原因の続発性で、コルチゾールの生成がゼロと診断されているAさんは、ヒドロコルチゾン(グリーンストーン社製)25mg/day(早朝15mg・昼5mg・夕5mg)で体調維持をしているそうです。
この服用で体調維持ができるのは、日常活動のみ(ほとんどソファに座って、必要なことだけ動く程度)の場合であって、何かアクティビティを追加しようとするとクラッシュするように感じ、小さなストレス要因でも、服用量を増やす必要があるそうです。
ただ、既に骨減少症にもなっているので、この先も高用量で過ごす事を迷っているそうです。
ちなみに、水分摂取量の見直し・電解質コントロール・食事の改善・活動の前後に服用量を増やす・歩幅を変える・グリーンストーン社製のヒドロコルチゾンに切り替える等を試された様ですが、どの対策も小さな効果しか得られなかったそうです。
Bさんのケース
自己免疫の問題を抱えているので、より高い用量が必要と指示されているBさんは、ヒドロコルチゾンなどの短時間作用型ステロイドでは血糖値を保てず、プレドニンなどの長時間作用型のステロイドに切り替える必要があったそうです。
投与量を計画するときにBさんが行っている対策の1つは、睡眠・食事・運動・痛み・症状・投与量・タイミング・活動・ストレスレベル・血糖値・血圧・体温・気圧・気分など、すべてを記録して分析する事らしく、状態を客観視して理解するのに役立ったそうです。
Bさんはこの経験から「補充療法としてのヒドロコルチゾンが誰にでも合うわけではない」とアドバイスしています。
Cさんのケース
自発コルチゾールが作れないCさんは、研究や科学に耳を傾けない医師の場合は、主治医を変える事も1つの選択肢とアドバイスしていました。
転院する際は、Adrenal Insufficiency Coalitionが出版している「Daily Management of Adrenal Insufficiency※1」という資料がとても役立ったそうです。
- この資料は、病気や痛みの併発がある場合でも一部引用して解説しています。
Dさんのケース
自発コルチゾール無しのケースの中でも、比較的コントロールが良いDさんは、病気や手術の時のみの適量の追加で体調維持が出来ているそうです(服用量の記載無しでした)。人によってはDHEA(医療機関での処方薬)の補充がQOLを上げてくれる場合もあるとアドバイスされていました。
Eさんのケース
続発製で自発コルチゾール無しのEさんは、活動的で毎日ジムに通い、週に3日は激しいパーソナルトレーニングを受けているそうです。当初は高用量のヒドロコルチゾンを摂取していましたが、徐々に22.5mgまで減量したそうです。
身体的であれ、感情的であれ、何らかのストレスを受けた場合は増量する必要がありますが、活動的なライフスタイルを続ける為に、体を慣らし調整していく事で、追加で服用する量を減らし、時間の経過とともに、追加の必要が無くなるようにする事が良いとアドバイスされていました。
Fさんのケース
下垂体全摘で自発コルチゾールが作れないFさんは、15mg/day(朝10mg・夕5mg)で体調維持ができているので、同じ状況の副腎皮質機能低下症の患者さんからも、珍しいケースと言われている様です。
Gさんのケース
原発性のGさんは副腎を全摘しているので、コルチゾールが全く作れず、ヒドロコルチゾン20mg/day(午前10mg・正午5mg・夕方5mg)を服用していて、毎日犬を数マイル散歩させ、パートタイムでウェイトレスとして働き、同時に学生でもあり、家族の為に家事と10代の息子の世話と送迎などもしているそうです。
Gさんは2020年2月に副腎を摘出して以来、こういった日々の活動を、トレーニングと同じような段階的なプロセスで進め、時間をかけてゆっくりとアクティビティを追加して、結果的に多くのことができるようになったそうです。
ヒドロコルチゾンの服用だけではなく、電解質を整える事、低炭水化物で健康的な脂肪とたんぱく質を多く摂る事で、体調や体重をコントロールでき、疲労感や倦怠感を感じる事もなくなり、コントロールにも効果的だったそうです。
食生活改善の有効性は、人によって異なるかもしれませんが、電解質は人々にとって非常に役立つとアドバイスされていました。
Hさんのケース
コルチゾールがほとんど作れないHさんは20mg/day(朝10mg・昼5mg・夕5mg)の服用指示ですが、この量では意識を保つ程度の効果しか無く、ほとんどの場合は、その2倍量が必要になっているそうです。主治医の指示で30mg/day(朝15mg・昼10mg・夕5mg)も試してみましたが、増やしたところで血中コルチゾール値が上がらず低値だったそうです。
忙しい日(日常生活以上の事をする必要がある場合)は、前日に増量し、当日は必要に応じて調整する方法が有効だそうです。ヒドロコルチゾンは1つのブランドしか服用できず、ジェネリックだと副腎クリーゼを起こしてしまうそうです。
経過を診てくれている内分泌の主治医から「ステロイドに依存している」と指摘されているので、できる限り最小限の用量に留めるようにしているそうです。
Iさんのケース
17.5mg/day(朝10mg・午後5mg・夜2.5mg)服用で体調維持しているIさんにとって、段階的運動療法は魔法のような効果があったらしく、ゆっくりとしたプロセスでしたが、最終的にエネルギーレベルと体力が回復したそうです。
当初は1ブロック以上歩く・階段を上るなどの簡単なことに、とても苦労していましたが、週に5〜7回・2〜3時間の運動(カヤック・ハイキング・サイクリング)を含め、1日を通して活動的に過ごせるようになったそうです。
Jさんのケース
続発性(ACTH単独欠損症)で17歳のJさんは、25mg/dayで体調維持をしているそうです。以前の主治医から、20mgへの減薬を勧められた事をきっかけに、転院して新しい内分泌の主治医にかかる事にしたそうです。
学校生活・家庭での日常・負荷(生理中・過度の暑さ・過度な寒さ)など必要に応じて増量し、アクティブに過ごす事を最優先しているので、一般的に言われている適量よりも、かなり多めに服用している事は理解して、同意しているそうです。
その後、ストライド社製からグリーンストーン社製のヒドロコルチゾンに変更したところ、とてもコントロールが良くなったそうです。
その他のケース
その他、27.5mgの摂取で体調維持できている方、1日6回服用しないと3.5~4時間以上は動けないという方、1日5回に分割するとかなり効果があったという方も見かけました。
「体験談」の記事は、欧米の副腎皮質機能低下症のコミュニティ(実名登録制・一般非公開)の体験談を読んだ感想として記録しています。引用元が一般非公開でソース元にリンクできない事からも、一部の記事は期間限定で公開しています。
国内外の情報や論文・コントロール良好な方の体験談などから見つけた情報を集めています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する事は「Note」へ、体験談やヒントなどは「Misc」に記録しています。
※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解です。