Mind情報格差と課題

欧米のコミュニティの良い点は、「上手くコントロールして改善・回復すること」を目的としているため、個人的な関係性や特定のケースへの配慮による情報制限が少なく、オープンに知識が共有されていることです。

一方で、日本では「楽しさ」や「心地よさ」が重視されるため、特定のケースに忖度された情報が多く、回復の可能性について十分に知られていない状況でした。その結果、回復に関する情報が制限されたり、誤った情報が広まることもあり、これが病状の悪化につながるケースも少なくありません。また、多数派の「回復できないケース」の情報が目立つことで、回復の可能性を持っていた方々までも適切な情報にアクセスできず、結果として病状が悪化してしまう傾向でした。

それでも、この病気や治療に関して正しい知識を持ち、ごく少量の投薬で体調を維持されたり、回復して治療を卒業していった方々の情報が残されていたことが、私にとって希望の道標となってきました。

例えば、副腎機能への影響を考慮した薬剤の選択や調整を、内分泌科と他の診療科が連携して行い、双方の治療を最適化できる環境が整えば、患者さんも安心して主治医に任せられるようになるでしょう。しかし、現状ではそのような環境がまだ十分に整備されていないため、患者自身が正しい情報を知っておくことが重要です。(例:吸入薬と住環境

日本には、患者向けの適切な情報共有の場が少なく、欧米と比べて情報の格差があると感じます。私か気付いた事がある時は、このブログを通じて「情報の橋渡し」をすることが、自分にできる一つの役割だと思いました。

少しでも多くの副腎皮質機能低下症の患者さんが予後を改善し、国内で選択できる治療の幅が広がることを心から願っています。

2025.1.1 掲載