Miscサプリメントの影響
そもそも「健康食品」や「サプリメント」という言葉には行政的な定義が存在せず、「栄養」そのものではなく、あくまで「栄養補助食品」という位置づけです。日常の食事で不足しがちな栄養を補うための商品として営利目的で販売されていますが、その効果に関する科学的根拠は必ずしも十分ではありません。
また、サプリメントは健康で服薬習慣のない人を主なターゲットにしているので、持病がある人や病気の人、特に服薬によって生命を維持しているケースを想定して企画されているわけではありません。
コルチゾール補充療法でコートリルを服用している副腎皮質機能低下症の場合、体内のコルチゾールをプラマイゼロに保つことが大切です。欧米の医師がサプリの服用を非推奨としている理由の一つに、サプリのラベルや製品説明にCYP(シトクロムP450)酵素への影響が記載されていない事が多く、コートリルにどのような影響を与えるか不明であることが挙げられます。
欧米の副腎皮質機能低下症に関する情報を発信している団体のWebサイトにも、「ハーブやサプリメントは一部の症状改善や気分向上に役立つかもしれませんが、副腎不全を治すことはできません」と明記されています。仮にハーブやサプリで一時的に元気になったとしても、それはあくまで対処法で、根本的に治療しているわけでは無く、それに依存して健康を維持するのは現実的ではありません。
健康な人がサプリを適量使う分には大きな弊害は出ないかもしれませんが、持病がある人や病気の人、特に副腎皮質機能低下症でコートリルを服用している場合は、薬との相互作用や体調への影響に注意が必要です。
HPA軸(視床下部ー下垂体ー副腎)が弱く、コルチゾールの生成が難しい人にとって、バランスの良い食事はとても重要です。食事が不十分だと、HPA軸にさらなる負担がかかり、コルチゾールの生成に必要な栄養素も不足し、結果としてコルチゾールの生成がさらに難しくなってしまいます。そのため、まずは適切な食事管理を心がけながら、サプリメントや治療薬の使用については、自身の体調や必要性を十分に考慮した上で、慎重に取り入れることが大切です。
[参考]科学を知ろう:薬とサプリメントの相互作用 – 厚生労働省
[参考]新規サプリメントと医薬品の 相互作用を予見する – 日本分析化学会
[参考]食品・サプリメントと医薬品との相互作用 – 日本分析化学会
[参考]健康食品・サプリメントによる健康障害
国内外の情報や論文・コントロール良好な方の体験談などから見つけた情報を集めています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する事は「Note」へ、体験談やヒントなどは「Misc」に記録しています。
※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解です。