第25話「減薬と維持量」

コートリルを服用していると、シックディの後の漸減だけではなく、血液検査の結果から維持量を調整することもあり、私の場合は検査入院の結果から、副腎が生きている可能性も捨てきれないということで、試しに減薬してみることになって今に至ります。

ステロイドは急に減らすことができない薬なので、副腎が健康な人でも、ルールを無視した減薬をすると、副腎不全に繋がります。副腎皮質機能低下症の場合、そのリスクは健康な人よりもさらに高く、生命の危険が伴うことなので、必ず主治医の許可と指導のもと、数値を参考に進めて行くことが大前提です。

副腎が健康な人のステロイド減薬は、副腎機能が回復することが期待できるので、長い時間をかけて適切に漸減すれば、断薬して元の状態に戻る理論ですが、そもそも副腎皮質機能低下症の場合は、生きていく為に必要なコルチゾールが作れず、その大半をコートリルから補充して体調を維持しているので、その命綱を操作する危険な作業だということを理解した上で、安全重視で進めました。

減薬の流れ

私の場合、主治医から減薬の許可をいただき、ノウハウを知る父(医師)のアドバイスのもと、体調を整え、1~2週間ごとに約10%程度を段階的に減らし、副腎の機能を回復させつつ服薬量を減らして行く「テーパリング」という方法で進めました。

  1. 体調を整える
  2. 追加の頻度が減る
  3. 追加なしで過ごせる
  4. コートリルが余っている体感になる
  5. 減薬する(2.5mgか1.25mg刻みで)
  6. 副腎の耐性ができるのを待つ(1~2週間)

成功症状が出ず上手く減薬できた場合は、Step.3から繰り返し、目標まで進めます。

失敗倦怠感・吐き気・頭痛・消化器症状・発熱・血圧低下などのコルチゾール不足の症状が出た場合は失敗なので、1つ前の量に戻して、体調を整えて再開します。

症状の精査

ステロイドを減らす時は、離脱症状が伴いますが、この症状とコルチゾール不足の症状を見分けることが、安全に減薬を進める上で大事な要素でした。

タイミング

度々コートリルを追加している状況で減薬するのは不可能なので、体調が安定していることが前提です。体調を整えることによって、追加の頻度が減り、コートリルの追加無しで過ごし、コートリルが余っているように感じた時が、減薬するチャンスでした。

量の目安

2.5mgか1.25mg刻みで減らし、同時に活動量を少し減らして、コルチゾール不足を予防しました。1~2週間ほど副腎が薬の量に慣れるのを待ち、徐々に活動量を戻しました。服薬量・症状・活動を記録しながら、ゆっくり丁寧に減薬することがポイントでした。

2023.1.16追記欧米の論文に「補充療法の漸減アプローチ」という方法が具体的に書かれていたので、内容を要約しています。コルチゾールの離脱症状と副腎不全の症状を見分けることが、最適な量まで到達する為の重要なポイントの様です。

私の場合、20mgから15mgへの減薬は、比較的簡単に進み、それ以下は1/4錠の2.5mg刻みで、10mg以下は1/8錠の1.25mg刻みで調整しました。

ここ数ヶ月は、活動量が少ない日は2.5mg・仕事や高負荷な運動をする日は5mgで、体調不良の場合は1.25mgか2.5mgを追加することがあり、手術後や、急性胃腸炎などの高負荷なシックディでもMAX10mg、という感じで体調維持していて、これが今の私の維持量(生涯飲み続けても副作用が出ない量)だと思っています。

ベースで服用している2.5mgも不要になり、活動量や負荷が多い時だけの頓服で体調維持できるようになるのが目標ですが、その為には追いコートリル無しで一定期間過ごせることが前提なので、引き続き体調を整えながら過ごして行こうと思っています。


闘病日記 by ここ プロフィール