第74話「旅行と頓服」

コートリルを頓服に切り替えて11ヶ目になりました。体調が良い日常は、コートリルの力を借りずに過ごしていますが、体調不良時や旅行の様な非日常のイベントでは、少量のコートリルを服用して対応しています。

今回の旅は、前回前々回の教訓を活かして、目的地の離島までの直行便がある場所まで、別の手段で移動するプランにしてみましたが、前夜にスーツケースのパッキングで無理をして、コルチゾールが足りなくなってしまいました

なかなか調子が悪くなったので、コートリル1.25mgでは足りないと思い、2.5mgを服用して出発日の体調不良を予防したのですが、眠る直前の2.5mgは多かったようで、なかなか寝つけなくなってしまいました。

出発日は台風(温帯低気圧)の影響でかなりの悪天候で、前夜の活動量からの負荷と、寝不足の影響もあって、体調も今ひとつでした。朝ごはんを食べようとしたのですが、胃腸の動きが止まってしまい、お腹の調子も悪く、ほとんど食べられませんでした。

頓服で体調を維持している現在、1.25mgや2.5mgが足りないときに感じる不調は、以前15mgを服用していた頃のコルチゾール不足による不調とまったく同じレベルです。意識が落ちそうになる(起きていられなくなる)まで落ちる事は無くなったものの、ステロイドカバーがないと全く動けなくなってしまいます。

出発時に服用したコートリル2.5mgが効いてきた頃には、少しずつ回復して正常なコンディションになり、目的地の離島までの直行便がある空港に無事到着し、フライトで離島に移動しました。

宿泊先のヴィラにチェックインして荷物を置いた後、同行したメンバーと夕日を見に出かけ、夜は現地の方々との会食で楽しいひとときを過ごしました。23時頃にヴィラに戻り、一緒に旅行しているメンバーと過ごし、1時頃に就寝しました。

翌朝、他のメンバーは早朝から観光に出掛けましたが、私はマイペースに7時ごろに起床し、8時過ぎにシャワーを浴び、10時半ごろにチェックアウトしました。その後、メンバーと合流して、海辺でランチを食べたり、カフェでお茶したり、帰りのフライトまでの時間を楽しみました。

今回の旅でも、暑さで熱中症のような状態になりそうだったので、2.5mgの頓服を合計4回服用しながら体調を維持しました。そのおかげもあり、無事に元気に帰宅でき、帰宅後は軽く外食し、荷解きも終わらせ、すっきりとした気持ちで翌日に備えることができました。

翌日は少し疲れが残っていたものの、午前中から普段通りに活動でき、午後から外出&外食も楽しむことができました。

診断前や適切なステロイドカバーができていなかった時期は、非日常のイベントや旅行の後に数日ほどダメージを引きずっていました。診断されて、自分に合ったコルチゾール補充療法を見つけ、体調をコントロールできるようになったので、とても暮らしやすくなりました。

いつか、非日常イベントにもコートリルを一切使わず、翌日もダメージなく過ごせるのが理想です。その目標に向けて、少しづつ体力をつけていく事と、プラマイゼロのコルチゾール補充療法を継続する事に加え、次回はパッキングの負担を減らす工夫をしてみたいと思います。

この離島には病院があるものの、常駐しているのは研修医のみなので、体調を崩した場合に備えて、応急処置用の準備はある程度自分で整えておく方が安心かもしれません。緊急用に、念のためソルコーテフ自己注射を処方していただいているので、これからも忘れずに持参しようと思っています。

カード

このような状況の場合は特に、担当してくれる医師や救急隊員が副腎皮質機能低下症や副腎不全について詳しくないことも考えられるため、副腎皮質機能低下症や副腎クリーゼの情報を記載した「副腎不全カード」を携帯することで、緊急時の対応がスムーズになることを期待しています。


闘病日記 by ここ プロフィール