喘息治療と副腎機能

副腎皮質機能低下症はもともと珍しい病気で、私が診断された頃は今ほど情報も多くなく、吸入ステロイドがHPA軸(視床下部-下垂体-副腎)に影響する可能性についても、今ほど知られていませんでした。

内分泌の専門医のS先生との会話の中で、吸入ステロイドも副腎機能に影響していた可能性があることを知りましたが、それを理解してくれる呼吸器科の先生に出会うのは簡単ではありませんでした。

いくつかの医療機関を受診する中で、偶然にも親身に話を聞いてくださる先生に出会うことができ、その先生にはそれまでの経過をできるだけ詳しく伝えました。

喘息がなかなか安定しなかったこと、吸入薬や内服薬を使っても発作が出てしまっていたこと、何度も救急外来でメプチンを吸入しなければならなくなっていたこと、状態が悪かった頃には、数日間のプレドニン内服や、救急外来でのステロイドの点滴が必要になったこと。そして、副腎皮質機能低下症と診断されて、補充療法をしていることも伝えました。

医療でできる治療以外にも、自分でできることには取り組んでいること、本気で体を立て直したいと思っていること、そのためにできることは何でも試してみたいと思っていることも伝えました。すると先生も、薬のことだけではなく、生活面でできる工夫についても、いろいろとアドバイスしてくださるようになりました。

その後、呼吸器科を受診している病院に、副腎疾患を専門にしている内分泌の先生が配属され、その先生とも連携していただけるようになりました。呼吸器科の先生、内分泌の先生、そして普段から副腎機能を診てくださっている主治医の間で情報を共有していただき、安心して闘病できる環境が整っていきました。

喘息が悪化すればステロイド治療が必要になり、そのステロイドがHPA軸に影響することがあります。コルチゾールが不足していると、炎症やストレスに対応しにくくなり、呼吸器症状が不安定になることもあります。喘息を悪化させないことと、副腎機能への影響をできるだけ抑えること。その両方を考えながら進める必要がありました。

そして、診断前に呼吸器症状だけを見ていたときには分からなかった不調の背景には、やはり副腎機能の低下も関係していたように感じました。

補充療法を始めてからは、明らかに体が炎症やストレスに対応しやすくなった感覚でした。そこに生活の中でできる試行錯誤を重ねていく中で、少しずつ喘息発作が減っていきました。ただ、補充療法で体調が安定してきたからといって、すぐに吸入薬を減らしたりやめたりできる段階ではありませんでした。

もし無理にステップダウンして喘息が悪化すれば、結果的に内服ステロイドや点滴など、より強い治療が必要になる可能性もありました。私にとっては、それが一番避けたい遠回りでした。そうならないように、無理に薬を減らすのではなく、体の状態を見ながら慎重に進めていくことを大切にしていました。

年間を通してほとんど発作が出なくなり、呼吸器科の先生とも相談しながら、喘息の治療をステップダウンできる状態に近づいていきました。その流れの中で、結果的に副腎機能も回復していきました。

このプロセスには、時間が必要でした。

喘息だけ、副腎機能だけを切り離して考えるのではなく、呼吸器の状態、コルチゾールの補充、生活環境、食事、睡眠などを含めて、体全体のバランスを見ながら少しずつ整えていくこと。その視点を持てたこととが、とても大きかったと感じています。

喘息と副腎機能

喘息を呼吸器だけの問題として見るのではなく、コルチゾール不足やHPA軸への影響、吸入薬や住環境との関係も含めて、体験を通して少しずつ見えてきたことをまとめています。

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2026.6.25 掲載

読んでくださった方が、自分なりの工夫を見つけるヒントになればうれしいです。
医療に関する判断を行う際は、必ず医師にご相談ください。