Note低血糖の予防と対処法 重要
欧米のコミュニティで話題になっている、Peter C. Hindmarsh(内分泌医)とKathy Geertsma(患者家族)による副腎不全の補充療法の書籍「Replacement Therapies in Adrenal Insufficiency」(2024年3月29日出版)には、「副腎機能不全で最も重要なのは低血糖を防ぐこと」と書かれていました。
The most important thing in adrenal insufficiency is to try and prevent the occurrence of hypoglycaemia.
さらに、低血糖だけでなく、血糖値が正常範囲内でも急激に低下した場合(血糖値スパイク※1)も、概日リズムによるコルチゾール分泌に影響する要素とされているようです。
Another situation where the normal cortisol production through the circadian rhythm can be altered, is in hypoglycaemia (low blood glucose), or if blood glucose falls rapidly within the normal range.
- 食後2時間の血糖値が140mg/dL以上、または食前から60mg/dL以上の急上昇がある場合は「血糖値スパイク」とされ、これを繰り返すことで血管が傷つき、動脈硬化や脳卒中・心筋梗塞のリスクが高まるとされています。
低血糖や血糖値スパイクが起きると、コルチゾールが余計に消費されるだけでなく、もともと十分に分泌できない状態ではさらにコルチゾールが不足し、アドレナリンの生成も妨げられてしまうそうです。この二重の影響で、より低血糖を起こしやすい状態になると説明されていました。
Now not only has the individual lost cortisol, which they could not make anyway, but because of this loss of cortisol the production of adrenaline is also impaired. This double hit leaves the individual with adrenal insufficiency very susceptible to developing hypoglycaemia.
この流れが続くとコントロールがさらに難しくなってしまうため、まずは低血糖を起こさないことが重要になるようです。予防と対処を分けて考えると、少し整理しやすくなります。
先手で予防する方法
低血糖は起きてから対処するのではなく、日常から予防していくことが基本になるようです。バランスの良い食事で血糖値を安定させることがベースになり、糖質だけでなくタンパク質も組み合わせて、なだらかな血糖の推移を意識することが大切だと言われています。
もし3食だけで低血糖が起きてしまう場合は、4分食や10時・15時の補食を取り入れて、血糖値の上下を抑えていくのが良いようです。最終的には、補食を減らしても安定して過ごせる状態を目指していきます。
後手の間違った方法
軽い低血糖が起きるたびに甘いものを摂る、または日常的にスポーツドリンクや糖分で維持しようとする方法は、予防ではなく応急処置に近い対応になってしまうようです。
この状態が続くと、インスリン抵抗性※2を引き起こし、糖尿病のリスクが上がったり、血糖値スパイクを繰り返しやすくなり、結果的にコントロールが難しくなる可能性があると指摘されていました。
- インスリン抵抗性とは、体の細胞がインスリンに反応しにくくなる状態です。その結果、血糖値が上がりやすくなり、進行すると2型糖尿病のリスクが高まります。
緊急時の応急処置
生命に関わる低血糖が起きた場合は、ブドウ糖10g、またはブドウ糖を含む飲み物を150〜200ml摂取して回復させます。
チョコレートや洋菓子は脂質が多く、吸収が遅れるため緊急時には向いていないと言われています。効かないと感じて量を増やしてしまうと、逆に血糖値スパイクを引き起こす可能性もあるため、注意が必要なようです。
読んでくださった方が、自分なりの工夫を見つけるヒントになればうれしいです。
医療に関する判断を行う際は、必ず医師にご相談ください。
