Hint欧米の「off the table」
私が「off the table」という考え方を知ったのは、欧米の方々が特定の食品や成分を「リスクを考慮して摂取しない」という姿勢を取っていると気づいたときでした。何かを足すのではなく、体の負担になりそうなものを取り除き、「回復しやすい環境をつくる」という考え方に基づいたスタイルです。
実際に「あるものをやめたら回復した」という話はよく聞きますが、「何かを足して劇的に良くなった」というケースは、CYP3A4の影響で一時的にステロイドの効果が強まった場合を除けば、あまり見かけません。むしろ、これまで何気なく摂っていたものがACTHを抑制したり、コルチゾールのバランスを乱したりしていて、それをやめることで改善することがある、という視点が強調されています。
私自身の経験
私もCYP3A4の影響で、特定の成分が体にどう作用するかを実感しました。すべての人に同じ影響があるわけではありませんが、私には明らかな違いを感じることがありました。なので、治療法が確立されていない病気と向き合うなかで、「off the table」の視点を持つことは、体調管理の選択肢を広げるうえで役立つと感じています。
特に、減薬期やプラマイゼロの調整時には「off the table」の考え方が役立ち、除去だけで回復した経験談もあります。ただ、コートリルをそれなりに服用している場合は、体の反応が鈍くなりやすく、影響をあまり繊細に感じないかもしれません。
日本の医療現場での認識
この考え方は日本ではあまり知られておらず、日本の医師に相談してもピンとこないことが多いのが現状です。もしかすると、日本の先生はマニュアルにないことには助言せず、ガイドラインの範囲でしか対応しないことが多いのかもしれません。
私の実践例
私が試した中で「off the table」として取り入れたものには、グレープフルーツ・リコリス(甘草)・カフェイン・アルコール・甘いもの・カリウムを多く含む食品の多量摂取・過度な運動・グルテン・NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)・オピオイド系鎮痛剤・オピオイド系鎮咳剤などがあります。
それぞれには除去に値する理由があり、例えば、グレープフルーツは薬の代謝を変える可能性があること、リコリス(甘草)はコルチゾールに干渉すること、カフェインやアルコールは副腎に負担をかけることなどが挙げられます。甘いものに関しては、血糖値の急激な変動が体調に影響を与えるだけでなく、ステロイドを継続的に服用していることを考慮すると、摂取を控える人がほとんどです。
一部のハーブやサプリメント(セントジョーンズワート・アシュワガンダ含む)はホルモンバランスに影響を与え、高用量のビタミン剤は予想外の作用を引き起こすことがあります。人によってはグルテンや乳製品を除去することで症状が落ち着くこともあり、それぞれの影響を考えながら選択することで道が開けることもあります。
CYP3A4と薬の影響
また、CYP3A4経路で代謝される薬剤は、ステロイドの作用に影響を与える可能性があります。例えば、一部の抗うつ薬(SSRI、SNRIなど)・ベンゾジアゼピン系(抗不安薬・睡眠薬)・一部の抗菌薬(クラリスロマイシンなど)は、相互作用によって薬の効き方が変わることがあります。
新しいものを試すより、今あるものを見直し、負担になっているものを手放してみたところ、症状の改善や体調の安定を実感する場面が増え、自分の体の反応を観察しながら調整することで、より自分に合った選択ができるようになりました。それが、おそらく私の回復にもつながったのだと思います。
国内外の情報・論文・コントロール良好な方の体験談などから見つけた情報を記録しています。副腎皮質機能低下症のメカニズムに関する情報は「Note」へ、体験談やヒントなどは「Hint」へ、その他の内容は「Misc」に記録しています。
※医療も翻訳も素人で、コメントも個人的な感想・見解です。