Miscコロナ後遺症と副腎機能

コロナ後遺症は、副腎皮質機能低下症に似た症状があるという話を海外でも時々見かけます。強い疲労感、ストレス耐性の低下、動悸、体調の波など、症状だけ見ると重なる部分もあるので、気になっていた方もいるかもしれません。

2026年5月26日に公開された「日本内分泌学会雑誌」に目を通していたところ、気になる演題がありました。
岡山大学病院のLong COVID外来で733例を解析した研究で、BMI(体格指数)や性差と、副腎・甲状腺ホルモンとの関係が調べられていました。

結果として、
・男性では、肥満の人で甲状腺ホルモン(FT4)が低め
・女性では、肥満の人でコルチゾール反応(Cor/ACTH)が低め
という傾向が見られたそうです。

ここで少し気になったのが、「女性でコルチゾール反応が低かった」という部分でした。

Cor/ACTHというのは、副腎への指令役であるACTHに対して、どれくらいコルチゾールが分泌されるかを見る指標です。
今回の結果だけを見ると、コロナ後遺症の一部では、副腎のストレス応答が少し鈍くなっている可能性も示唆されていました。

ただし、「副腎皮質機能低下症だった」という話ではなく、研究の結論でも、「ストレス反応性の鈍化」や「副腎感受性の低下」の可能性に触れている程度でした。
つまり、副腎皮質機能低下症というよりは、「ストレスへの反応システム全体が少し変化している可能性がある」というイメージの方が近そうです。

ただ、この部分を読んでいて、自分の体験と少し重なる部分ももありました。

私は診断前、まだ補充療法をしていなかった頃に、コロナやワクチン接種をきっかけに大きく体調を崩した経験があります。コロナだけではなく、インフルエンザワクチンや、インフルエンザなどの感染症でも体調が悪化していました。
一方で、診断後は必要時にコートリルを頓服しながら過ごすようになってから、コロナやインフルエンザにかかった時も、それなりに対処できていた感覚があります。

もちろん、これはあくまで私個人の体験なので、一概には言えませんが、私の場合は、もともと副腎機能に余裕が少ない状態がベースにあって、そこに感染やワクチンという大きなストレスが重なったことで、長期的な体調悪化につながった感覚でした。ただ、その後は安静にすることで元の状態まで戻ることができました

別の報告では、実際にコロナ感染をきっかけに副腎皮質機能低下症を発症したケースもあるみたいです。
ただ今回の論文を読んでいて、個人的には、コロナ後遺症と副腎皮質機能低下症は、症状が似ていても背景にある仕組みは別なのかもしれない、という印象を持ちました。

一方で、どちらも根本的に治す治療法がない中で、体調を少しでも良くするためにできることには、共通する部分もあると思っています。

診断や補充量に不安がある方へ

最近は、コロナ後遺症をきっかけに副腎皮質機能低下症と診断され、補充療法を受けている方も見かけます。その中には、本当に副腎皮質機能低下症だったケースもあると思います。
ただ、生理的分泌量を超える補充を受けていたり、シックデイ・ルールの説明がないまま、予備のコートリルも処方されていないケースについて相談を受けることもあります。

また別の視点として、本来必要ではない状態で生理的分泌量を超えるステロイドを長期間使用すると、自分でコルチゾールを作る仕組み(HPA軸)が抑制され、医原性(治療によって起こる)副腎皮質機能低下症につながる可能性も指摘されています。

もちろん、必要な方にとって補充療法はとても大切な治療です。ただ、本当に副腎皮質機能低下症なのか、今の補充量が自分の状態に合っているのかは、とても大事な部分なのかもしれません。

もし不安がある場合は、セカンドオピニオンも含めて、本当に副腎皮質機能低下症なのか、今の補充量が自分に合っているのかを、早めに確認してみるのもよいのかもしれません。

出典


※この記事で紹介している文献や論文は、情報が乏しいこの病気において、私個人が改善の糸口を探るために部分的に参考としたものです。あくまで私自身の体調管理のヒントとして活用した記録であり、医学的な普遍性や効果を保証するものではないことをご理解ください。

2026.5.27 掲載

読んでくださった方が、自分なりの工夫を見つけるヒントになればうれしいです。
医療に関する判断を行う際は、必ず医師にご相談ください。