Noteサーカディアンリズム投与 重要

欧米の副腎皮質機能低下症のコミュニティの情報によると、サーカディアンリズム(Circadian Rhythm Dosing)でコートリルを服用する事で、劇的に体調が改善している人も存在するので、ゲームチェンジャーになる可能性がある言われています。

副腎からのコルチゾールの分泌は、24時間に渡って変化していて、午前6時〜12時までの間に、24時間の総コルチゾールの35%、12時から1時までの間に20%、18時から深夜までの間に15%、深夜から6時までの間に30%が生成されるそうです。

資料[出典]Circadian Rhythm Dosing – Professor Peter Hindmarsh and Kathy Geertsma

この変化をなるべく模造する為に、20mgのヒドロコルチゾン投与の場合は、朝6時に7mg・昼食時に4mg・16時に3mg・深夜に6mgを投与するそうです。健康な人のコルチゾールの推移を考慮して、夕方は18時ではなく16時に投与する方が良いそうです。

同じ、Peter C. Hindmarsh(内分泌医)とKathy Geertsma(患者家族)執筆の副腎不全の補充療法の書籍にも、健康な方の夕方のコルチゾールの量は、低値なものの1.8mg/dLを下回ることはめったに無い事から、夜も多少のコルチゾールの補充が必要な事が説明されていました。

健康な方は1時〜3時の時間帯にも、結構な量のコルチゾールが分泌されている事から、就寝時にギリギリの量だった場合、睡眠の質が落ちてしまう事や、深夜0時ごろに不調が多発して眠れず、2.5mg程度を服用した場合でも、睡眠の質に影響が無く、むしろ熟睡できた事も、合点がいきました。

コートリルを常用している場合だけでなく、頓服でコントロールされているケースにも参考になる情報でした。

参考資料

Circadian Rhythm Dosing – Professor Peter Hindmarsh and Kathy Geertsma
https://www.cahisus.co.uk/pdf/CIRCADIAN%20RHYTHM%20DOSING.pdf

Cortisol Circadian Rhythm Dosing
https://www.youtube.com/watch?v=AQyMNFxhRV0

2024.8.23 掲載

欧米のコミュニティや患者さんが執筆した書籍では、具体的で実践的な知恵がたくさん紹介されています。このブログでは、そのなかから「病院では教えてもらえない工夫」を学び、自分でも試して効果を感じられたこと、そして病気のメカニズムに関する理解を深めた内容を記録しています。
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