Mind補充療法は松葉杖

コートリルを「松葉杖」と「車椅子」に例えると、補充療法のイメージが少しつかみやすいと思いました。

副腎皮質機能低下症の人は、とても疲れやすく、無理をすると生命があぶない状態になることがあります。毎日のコートリルは「松葉杖」、必要な時に増やすコートリルは「車椅子」にあたるイメージです。

自発が完全にない人でも、決して寝たきりではなく、生活の大部分は松葉杖で歩けるようなイメージです。ただ、とても疲れやすいので松葉杖は常に必要で、負荷のある予定の日や、病気の日(シックデイ)は、車椅子に乗らないと動けなくなります。

一方で、自発が少しでも残っている人は、「短い距離なら自分の足でも歩ける人」に近く、基本は松葉杖を使いながら、谷の時間(コートリルが切れている時間帯)だけ自分の足で歩くようなハイブリッドです。歩ける距離の差は、その人に残っている自発の量によって変わってくるため、このタイプは自分の足を使う機会を残しておくことで、筋力(自発機能)を維持できます。

どちらのタイプでも、シックデイは体力をほぼ使わずに済む“車椅子モード”に切り替えることがあります。これが「ステロイドカバー」です。

必要な場面では命を守るための対応ですが、これを日常的に続けてしまうと、本来残っていた筋力(自発機能)を使わなくなり、歩く力そのものが弱ってしまい、寝たきりになる可能性が高くなります。

松葉杖も車椅子も「治すための道具」ではなく、「疲れすぎないように生活を支えるためのサポート」だという点が、大事なポイントです。

コルチゾール補充療法の本来の目的は、なるべく松葉杖だけを使いながら過ごし、長い距離や負荷の高い場面だけ車椅子を使い、自分の足(自発)をできるだけ温存していくことにあります。

「しんどいなら追加しようね」という言葉はやさしく聞こえるけれど、「疲れるなら松葉杖をやめて車椅子にしてもいいよ、ただその分だけ歩く力はなくなっていくよ」という提案に聞こえます。一時的にはラクでも、続けるほど自分の足が育ちにくくなる構造は、追いコートリルとよく似ていると思いました。

2025.11.28 掲載