Misc診断は誰のため?
私のHPA軸を整えるバイブル「運動脳」「スマホ脳」を書いた、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏の記事を見かけたので、少し目を通してみました。
世界中でADHDの子供が爆発的に増えている意外な背景 – PRESIDENT Online
そういえば、この考え方は他の疾患にも共通する部分があると感じていて、実際、似たような意見を医療現場でもよく耳にします。
診断のタイミング
以前、友人の精神科医が話していたのは、「誰でも多少の問題を抱えている。でも、生活や仕事に支障が出たときが診断のタイミング。治療が必要かどうかも、そこから考える」という考え方でした。
実は喘息も似ていて、たまに咳が出るくらいでは、ステロイド治療まで進めることは少なく、生活習慣の見直しや環境の改善だけでコントロールできるケースもあります。特に、部屋をきれいにするだけでも効果があるそうです。
以前、シェーグレン症候群を精査しに行ったときの医師も、とてもバランスの良い親切な先生で、「治療法がない症状に安易に病名をつけると、かえって予後が悪くなることもある」と教えてくれました。病名があることで安心する反面、「治らない」という意識が心身に与える影響も無視できないそうです。
当時の私は、なるべく早く精査したほうがいいと思っていたので、「診断されないほうが良い場合もある」という考え方は、とても新鮮で、大きな気づきになりました。その後、気になっていた症状は、コルチゾール不足時に一時的に出るものだったことがわかり、気にしすぎず、適度に対処することでうまく付き合えるようになっています。
ポジティブさの力
そういえば、私の地元では有名な経営者Wさんのこんな話があります。ある時、ステージ4のがんと診断されたそうなのですが、ご本人は「ステージ100まである」となぜか思い込んでいて、「なんだ、4なら軽傷だね」と、ものすごく前向きに受け止めたそうです。結果、本当にがんを寛解させてしまったというのは、地元の誰もが知っているエピソードです。
診断の役割と背景
慢性的な病気や症状について考えるとき、「診断=即治療」ではなく、「その人の生活にどれだけ影響が出ているか」で判断することも、大事な視点かもしれません。実際、欧米の一部の医療現場では、「診断はラベルではなく、サポートのための道具」として使われることもあり、診断の有無にかかわらず、自分なりの工夫や取り組みで症状を軽減・解消できるケースも重視されています。
加えて、診断や治療の背景には、商業的な要因や社会的な認識の変化が影響している可能性もあることを、忘れずに考慮しておくことも大切だと思います。
もちろん、早期診断が必須の病気を除きますが、最低限の健康管理と、ちょっとした工夫でコントロールできる状態なら、それが一番自然で健全な選択なのかもしれないと、改めて思いました。