Hint予防投与とタイミング 必読

コートリルを足す場合の「予防投与」と「シックデイ」を別枠で考える、というのは、とても大切な知識でした。

予防投与、いわゆるステロイドカバーは、ガイドラインでも示されている通り、最初の内服を最大にして、最後は就寝前を避ける、という考え方が基本になります。朝側にコルチゾールの山を寄せて、その直後に負荷のある予定を入れる方が、結果的に効率がよく、リスクも抑えやすく、あとから調整(追いコートリル)に追われる失敗パターンになりにくいみたいです。

一方で、シックデイはまったく別枠です。感染症や発熱、強いストレスがかかったときなどは、自然なカーブよりも安全性が優先され、オーバーになるくらい入れることが前提になります。日常の微調整とは切り分けて、「ジャバジャバ入れるべき特別な場面(副作用は出てしまう)」として考える必要があります。

この二つを分けて考えることが、とても大事でした。

資料

コートリル10mgがそのままコルチゾールの血中濃度10μg/dLに相当するわけではありません。10mgでどの程度血中が上がるかには個体差があり、人によっては36μg/dL前後までコルチゾールが上がることもあります。そう考えると、「症状が出たからとりあえず10mgを1錠」という使い方は、予防投与というより、シックデイ対応に近くなってしまいますね。

なので欧米では微調整を1.25〜2.5mg程度の単位で行い、自然なコルチゾールの推移を模造するように予定を組んでいる人が多いようです。このやり方を続けている人の方が、全体として安定して過ごせている印象があります。

私自身も振り返ってみると、同じような考え方でコントロールできていて、体調の変化を把握しやすく、落ち着いて過ごせていたように思います。


2025.12.14 掲載

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