View副腎皮質機能低下症の食養生

副腎皮質機能低下症の「食養生」は、一般的にイメージされがちな「体に良さそうなものを足す」「栄養価の高いものを選ぶ」という発想とは、少し軸が違っているように解釈しています。

実際に過ごしてみて大切だと感じたのは、「何を摂るか」よりも、「体に余計な仕事を増やしていないか」という視点でした。

加工度が高い食事や、添加物が多いもの、血糖変動が激しい食事が続くと、消化や代謝、解毒の過程で、思っていた以上にコルチゾールを使っているように感じる場面がありました。健康な人であれば問題にならない負荷でも、コルチゾールを十分に作れない状態では、それが積み重なって不調につながっていたのかもしれません。

一方で、素材がシンプルで、消化に無理がなく、血糖が安定しやすい食事に寄せていくと、体の処理負担が少なく済んでいる感覚がありました。その結果として、「コルチゾールを節約できているような状態」に近づいていきました。

副腎皮質機能低下症のコントロールを、「コルチゾールを増やして乗り切る」ではなく、「増やさない前提で体を回す」と考えるようになってからは、「余計な処理を増やさないこと」「本当に必要な回復や修復に、限られたコルチゾールを回すこと」を意識するようになりました。この考え方は、私にとっては現実的でした。

「自然な食事が良かった」「食事を変えたら安定した」という体験談を目にすることがありますが、いわゆる“体に良いものが効いた”というよりも、「無駄な仕事を減らしたら、体が回り始めた」という感覚に近いのではないか、と感じています。

副腎皮質機能低下症における食養生は、何かを足して整える方法というより、体を忙しくさせない選択を積み重ねていくこと。そんなふうに捉えるようになってから、無理なく続けやすくなりました。

2026.1.7 掲載